ヨウシュヤマゴボウ駆除

本日の活動の続きです。前記事のミカンの木がある場所、百年森の隣のエリアに残っていたヨウシュヤマゴボウを除去しました。百年森は2018年まで廃材置き場だった場所で、公園内で出た排土が山積みされていました。それを敷き均して百年森を造成したので、光を受けるようになった埋土種子が一斉に芽生えました。ヨウシュヤマゴボウもその例外ではなく、次々に芽生えるのを我々は見つける度に除去してきました。今では百年森内にはほとんど生えてきませんが、柵の外は別です。そのエリアの外来植物も駆除するようになったのは昨年ごろからです。

ヨウシュヤマゴボウを引き抜く。途中で折れた根は掘り取った
引き抜いた大きな株。根はまだまだ小さい

柵の外は公園管理者による草刈りが行われていますが、この植物は根が何年も生き残る多年草です。根から新たな芽を出して再び成長し、年々根を太らせます。大きな根からは太い茎が育ち、たくさんの実を着けるので、それを鳥が食べて種子をあちこちに散布します。ですから、根が小さいうちに、しかも結実前に引き抜くのが最善で、引き抜けないほど大きくなってしまったら掘取るしかありません。幸い今日は、掘り取らないといけないものは多くありませんでした。放置すると再生する可能性のある根と、結実間近の果実は焼却処分に回しました。

今年この場所で駆除したヨウシュヤマゴボウは計40株ほどになると思います。葉が複雑な色に紅葉し、赤い軸に黒い実の房がいくつも垂れ下がる姿は、私も美しいと思います。好きな人が多いかもしれませんが、有毒植物なので、子供が口にしないよう注意が必要です。強い繁殖力を見ると、やはり駆除すべき外来種だと思います。我々は以前から公園内のヨウシュヤマゴボウの除去を行っていますが、最近数が増えている気がしています。もしかすると、気候がこの植物に合ってきているのかもしれません。

その後は百年森内を一巡して現状を確認し、早めに活動を終了しました。そのレポートは省略します。丁寧な活動をするには暑すぎるし、新型コロナへの警戒も必要ですが、自然から目を離さないでいようと思います。

一本の樹

ミカンの木

土曜日は全体活動の日なのですが、猛暑と新型コロナの感染爆発が続いているため、全体活動は取り止め、それらの危険に適正に対処する自信がある人だけで小規模に活動することにしました。集まったのは3人でした。活動内容は、百年森の世話を少々と生き物観察です。まずは、百年森の外側のミカンの木にいる生き物を観察しました。二人が見ている、樹名板が付いている木です。西園の工事の際、現場事務所を建てるために伐採が決まったのですが、仲間からのクロアゲハがよく産卵する木なので残してほしいという希望を管理者に伝えたところ、建物の位置が少し変更され、残された木です。

卵を守るメス(7月23日)
2齢になった幼虫(7月30日)

目下の観察テーマは、葉の裏で卵を守っているエサキモンキツノカメムシです。先週土曜日は卵だったのに、今日はすでに孵化して、2齢の幼虫になっていました。2齢幼虫はすぐに親元を離れて独り立ちします。子供たちがこの木で吸汁するのか、エサキモンキツノカメムシがミカンの木で卵を守っているのを見たのは初めてなので、注目しています。

この木には他にも卵を守っているメスが少なくとも2組いて、すでに子供たちが親離れ済みのものもいるのですが、この木で吸汁している幼虫をまだ見つけていません。

ナガサキアゲハ前蛹
葉に産み付けられた卵
幹に産み付けられた卵

ミカンの木が好きな昆虫の代表はアゲハの仲間でしょう。上記したように、この木を守ったのはクロアゲハでした。先週も、アゲハ類の若齢幼虫を2匹見つけました。昨日はナガサキアゲハの終齢幼虫が見つかりました。それは今日、蛹になろうとしていました。また、新たに産卵された卵が、葉や幹で複数見つかりました。エサキモンキツノカメムシが利用する樹木や草本は他にもいくつかありますが、クロアゲハやナガサキアゲハなどはミカンの仲間が無いと次の世代を残せません。井の頭公園に少ない大きなミカンの木は、たった一本でも貴重です。

神田川のオオブタクサの顛末

玉川上水のオオブタクサの件では、多くの人(市民、議員、市役所、管理に関わる役所や会社など)が迅速に動いてくれ、見つかったものは全て駆除されました。

神田川 神田橋〜みすぎ橋 のオオブタクサ(2020年9月4日撮影)

ほぼ見守っていただけの私は、玉川上水への人々の関心の高さに改めて驚いたのですが、その動きは、神田川にも波及しました。玉川上水のオオブタクサを放置するとどうなるかという参考のために添付した、神田川の神田橋〜みすぎ橋間の写真に衝撃を受けた人が多かったのだと思います。6月15日の記事に載せましたが、もう一度載せておきます。

なお、神田川は、みすぎ橋で所管の建設事務所が変わります。それより上流は多摩地区なので東京都北多摩南部建設事務所(略称:北南建)、下流は23区内なので東京都第三建設事務所(略称:三建)です。ちなみに、みすぎ橋の”みすぎ”は ”三杉”で、三鷹市と杉並区の間の橋という意味らしいです。神田川の橋と両岸の行政区の関係については、「神田川の橋 一覧」(個人の方のサイトです)などを参照してください。

さてオオブタクサの件、知人が三鷹市選出の都議に連絡してくれ、都議は北南建の担当課の課長に電話をしてくれました。その結果、7月上旬に刈ると回答があったそうです。さらに知人は、杉並区の土木事務所にも電話をしてくれたそうです。杉並土木事務所は杉並区の役所ですが、三建の実動部隊なのだそうです。杉並区の久我山付近には、神田橋〜みすぎ橋間よりも前からオオブタクサが茂っていました(種子は上流に運ばれることもあるのです)。昨年6月に杉並土木事務所が実施した「河川環境改善工事」で、岸辺の高くなった箇所に溜まった土を植物ごと浚ったので、オオブタクサは激減したのですが、その後に上流から種子が流れ着いたこともあり、今もいくらか生えています。種子が流れ着いて増える植物の駆除は上流から進めるのが基本です。

草刈りが始まっていた。(あしはら橋から上流を望む)

7月13日に神田川を見たら、夕やけ橋〜あしはら橋までの川底の草が刈られていました。草刈りは11日に始まったのではないかと思います。私は神田橋〜みすぎ橋間だけ刈るのだと思っていたのですが、みすぎ橋までの全域を刈るつもりのようです。丸山橋までのオオブタクサは私が8日に抜き取ったのですが・・・。

神田橋から みすぎ橋に向かう草刈り 7月22日

猛暑の日だけでなく、大雨による増水で川に入れなかった日もあり、草刈りはなかなか進みませんでしたが、22日に行ってみたら、神田橋を越えた所で草刈りが行われていました。この日も猛暑日で、二人が汗だくになりながら作業をしていました。警備員さんの話では、翌日23日に作業終了予定とのでした。

草刈りが終了した川(みすぎ橋から上流方向を望む)

24日に再度行ってみたら、確かに草刈りが終わっていました。ちょっと凝った造りになっている川底がよく見え、水路を泳いでいる魚も見えるようになりました。

ちなみに、ここより下流の杉並区域は、13日に見た時点ですでに、昨年のように泥ごと草が浚われていました。区議が杉並土木事務所に電話してくれたそうなので、そのせいでしょうか。

以前は毎年2回実施されていた草刈りは、最近は予算が無いとの理由で、晩秋の1回だけになっていたのですが、都議の意見を受けての方針変更でしょうか。今後は年2回実施するとの課長の説明もあったそうです。在来生物にとっては、7月の草刈りはあまり望ましくありません。ミクリ、ナガエミクリ、ヒメガマ、サジオモダカは開花したものの、種子をまだ散布できていないし、マコモやオギ、ジュズダマは、まだ開花もしていないからです。全域の草刈りはやめさせるべきだという意見もありました。ただ、それらは多年草なので、残った根から再生するし、外来植物の種子散布を阻止するには有効なので、草刈りを止めることはしませんでした。しかし理想的には、在来植物を温存しながら、丁寧に外来植物を駆除していく方法が望ましいのは間違いありません。今後もし貴重な在来水生植物が衰退していくようなら、種子散布ができるように一部を刈り残すなどの方法を提案していきたいと思います。

池観察シリーズ

井の頭池の問題を解決するために2006年に始めた当会の保全活動ですが、活動のメインを陸域に移した現在、池のことをよく知らないメンバーも増えたので、3回に亘って池と池の生き物の観察をすることにしました。7月16日の全体活動時と、19日と20日のひょうたん池生き物調査の後です。

藻に覆われたお茶の水池
コカナダモの上の糸状藻類

井の頭池に激増した外来水草コカナダモについての報道が最近増え、その多くが、池を再度かいぼり(池干し)して駆除すべきだという論調です。池をよく見ていない人は記事を鵜呑みにしがちなので、問題です。

まず、問題視されている水草を観察しました。

よく見ると、水面にあるのはコカナダモではなく、糸状の藻類だと分かります。光を存分に受けられるように、コカナダモの上に広がっているのです。

木陰ではコカナダモがよく見える

そしてもっとよく見ると、水の透明度はかなり高く、水草の間を泳ぎ回る小魚やエビ、トンボのヤゴが見えました。水面近くには小さな魚が、少し深いところには大きめの魚が見えます。

晴れの日には、糸状藻の上で繁殖行動をしているムスジイトトンボなどのイトトンボ類が多数見られました。ギンヤンマ、ウチワヤンマ、コオニヤンマなどのトンボ類も池の上を飛び回っていました。

網で採取した糸状藻類とコカナダモ

糸状の藻を網で掬って観察しました。複雑に絡まり合っていて、まるで不織布のような手触りでした。アオミドロのようなヌルヌル感はありません。顕微鏡で調べたメンバーによると、シオグサが主で、それにサヤミドロなどが混じったものだそうです。いずれも在来種です。かなり丈夫なので、カイツブリのヒナが泳ぎ回るのに障害になりそうです。逆に、カイツブリに食べられる立場の魚やエビなどにとっては、安全な場所を提供してくれていると言えるのかもしれません。新聞の記事には、水面の藻類が水草の光合成を阻害すると書かれていました。しかし、そうは見えません。糸状藻の下のコカナダモはいたって元気そうです。なお、ボート池にもコカナダモが繁茂していますが、糸状藻はほとんど見られません。多数のボートが水面を掻き回すので、増えられないのだと思います。

プランクトンをチェック

弁天橋の上から、プランクトンネットを引いてみました。水草の周りにプランクトンが多く、水草が無い場所には明らかに少ないことが分かりました。コカナダモの中では、ヌカエビやウキゴリの稚魚などもネットに入りました。それらはプランクトンやコカナダモの付着藻類などを食べて育ちます。コカナダモは小さな水生動物の生活場所になっているのです。それは、水生動物を捕らえて食べるカイツブリが現在9ペアも池にいる理由です。

採取した水が澄んでいるのも印象的でした。井の頭池に供給されている地下水には窒素分が多いので、光量と水温が高い夏は植物プランクトンが発生しやすく、水の透明度が下がるのですが、コカナダモは成長のために水中の窒素を吸収するので、水質を改善する働きがあるのです。その働きは、全体量が多い分、ツツイトモより強力です。

新聞の記事には、水草の生態に詳しい人が「(コカナダモは)乾燥に弱いので、かいぼりを定期的に行い駆除するしかない」と話したと書かれていました。井の頭池には水草以外のいろいろな在来生物がたくさん暮らしていること、それらの多くはコカナダモよりはるかに乾燥に弱いことを知らないのでしょうか。井の頭池の生き物を愛情を持ってきちんと見ている人なら、そんな発想はしないと思います。外来の水草に占拠された状態が望ましいとは思いませんが、もっと穏やかで、もっと賢明な、外来水草への対処法があるはずです。今回の池観察シリーズでいちばん伝えたかったのはそのことです。この問題については、まったく言い足りないので、また書きたいと思います。

水草の中にいたヌカエビ
プランクトンの説明
藻類の解説
キツネノボタン
プランクトン観察

ひょうたん池の生き物調査 7月

ワナ上げと記録
アメリカザリガニ
スジエビ
テナガエビ
ギンブナとクロダハゼ
ウキゴリ
ワナ内で羽化したコシアキトンボ

ひょうたん池の7月の生き物調査を4日間実施しました。ひょうたん池は、井の頭池の最下流、神田川への出口にある小さな池です。

計6基のワナを沈めておき、毎朝上げて、入っている生き物の種類と数を記録します。

元々は、かいぼり後に激増したアメリカザリガニを駆除するのが目的でした。最初のかいぼり直後の2014年は、ひょうたん池だけで、(もっと多くのワナを用いて)5,280匹のザリガニを駆除しましたが、3回目のかいぼり後の2018年には574匹に減りました。その後も捕獲数が少ない状態が続いているため、その他の生き物の生息状況を知ることに目的を切り替え、実施回数も減らしています。ちなみに、今回の4日間にワナで獲れたザリガニは6匹だけでした。

最近はザリガニだけでなく、それ以外のエビや魚、トンボのヤゴなど、以前は多数採れた生き物も大幅に減っています。ひょうたん池に生き物が少ないということですが、井の頭池全体でそれらの生き物が減っているわけではどうもなさそうです。ひょうたん池以外の池全域で活動しているかいぼり隊は今も多数のザリガニを捕獲しているし、池に9ペアものカイツブリが暮らしているのは、餌となる小魚やエビなどがふんだんにいる証拠です。

生き物の密度が違う理由は、他の池には外来水草コカナダモが繁茂しているからではないかと思っています。生息場所としてとても好まれているようなのです。生き物たちは普段そこで暮らしていて、そこから漏れ出てくる生き物がひょうたん池のワナに入るのではないでしょうか。

玉川上水のオオブタクサ その後

■ 境橋付近のオオブタクサのことを6月19日に「玉川上水みどりといきもの会議」代表の高槻先生に連絡し、ほかにも生えている所がないか調べてはと進言したところ、先生は「玉川上水花マップネットワーク」にも、オオブタクサがないかチェックするよう指示されました。どちらの会も玉川上水全域をカバーしている組織です。すると6月27日に茜屋橋の近くに群落があることが報告され、別の人が小金井市環境政策課に相談したところ、環境政策課は30日に現地調査をして、柵外(小金井市の市道)の1本を除去するとともに、柵内のものについては東京都(水道局)に連絡してくれたそうです。水道局の対応も迅速で、柵内に生えていた30本ほどが翌日の7月1日に除去されたそうです。名勝小金井(サクラ)を復活させようとしている小金井市にとって、オオブタクサは許容できない外来植物でしょう。

■ 桜橋〜境橋左岸のオオブタクサについては、もう少し複雑です。武蔵野市内ですが、玉川上水用地である柵内(柵を含まず)は東京都水道局境浄水場の所管で、柵を含む柵外は都立玉川上水緑道のため東京都西部公園緑地事務所の所管で、実際に維持管理をしているのは、柵内が東京水道(株)、柵外は緑道の指定管理者である西武・武蔵野パートナーズです。そして実際に草刈りなどを行うのは、それぞれが発注する園芸業者です。

オオブタクサの駆除を要望するため、市や市議によく連絡している知人に6月11日に相談したところ、その5日後に「市議が武蔵野市の緑のまち推進課に連絡してくれ、緑のまち推進課は現場を確認したそうで、東京都の担当(たぶん境浄水場)に連絡すると連絡があった」というメールをもらいました。水道局だけでは片手落ちなので、私は17日に、緑道を主管する西部公園緑地事務所にも対応をお願いし、指定管理者に連絡しておくとの返事をもらいました。

それでどうなったかというと、7月8日の記事「玉川上水のオオブタクサ再調査」に書いた通りで、7月8日の時点ではオオブタクサは6月8日の状態のままだったのです。ただその日に、おそらく一般市民により、ほとんどのオオブタクサが抜き取られたり切り倒されたりしたので、結実する心配はほぼ無くなりました。

7月11日の西部公園緑地事務所からの連絡によると、緑道の指定管理者のスタッフが9日に現場を巡回して、緑道に残っていたオオブタクサを除去し柵内に見つけたものについては東京水道(株)に連絡してくれたそうです。指定管理者にオオブタクサのことを知らせたのは、西部公園緑地事務所ではなく、市民(上記の知人)の投書だったようです。東京水道はすでに右岸の草刈りを始めていたので、その際に左岸も刈ったと返事をくれたそうです。しかし仲間からの情報では、7月13日の時点で左岸はまだ草刈りされていませんでした。その後に草刈りされたかどうかは、情報が無いので分かりません。

自然は繋がっているのに、それを維持管理する側は、縦割りと横割りが複雑で、お互いの連絡がうまく取れていないことが分かりました。そのせいか、単にオオブタクサを抜いてくれるだけでよかったのに、全面草刈りになってしまいました。地元で自然を守る活動をしている人からは、例年の草刈りは晩秋なのに、連絡もなく7月に草刈りされて大事な野草がダメになったと抗議があったそうです。もっともな抗議だと思います。なお、東京水道が草刈りを始めたのは、近隣の幼稚園が虫を嫌うからだと聞きましたが、それもちょっと残念です。

久々の参加人数

除草、草刈り中

11人で百年森の世話をしました。新型コロナの感染状況が落ち着いても、猛暑の日が続き、ときには雨の日もあったりで、保全活動の参加者は少なめでした。今日は気温もやや低かったので、久しぶりに多めの人数になりました。おそらく、コロナ発生以来最多の人数になったのではないかと思います。(もちろん、コロナ前は学生グループの参加もあり、参加人数はもっと多かったのですが。) 人数が多いとさすがに作業が捗り、今の時期にやっておきたいことはほぼできました。

終了時。久しぶりに会うと話したい

除草などの作業は他の人との距離を十分取れるので、マスクを外して作業することも可能です。しかし人間ですから、相談や情報交換をするときや、同じ生き物を観察するときなどは、どうしても近寄りがちです。安全な距離感を身につけるには訓練が必要なのかもしれません。というわけで、集まるときにはやはりマスクが必要です。

コロナ以前は、活動の後に遅めの昼食をとりながら、情報や意見の交換や雑談をする楽しみがあり、それも活動参加の動機になっていました。それがずっとできていないのが残念です。早くそんな時が来て、さらに参加者が増えるとよいと思っています。それなのに、最近感染者が増加傾向なのが気になります。

玉川上水のオオブタクサ再調査

午前中の神田川のオオブタクサ駆除に続き、午後には、玉川上水の桜橋〜境橋間のオオブタクサがどうなったのか見に行きました。オオブタクサは、私が前に見たのとたぶん同じだけ残っていて、しかしさらに大きくなっていました。ざっと数えたところ、次のような本数でした。橋の名前と場所については、例えばこのマップ「玉川上水緑道マップ」を参照してください。

  • 桜橋〜独歩橋 左岸: 31本(うち6本は柵内)
  • 独歩橋〜うど橋 左岸: 7本(全て柵内)
  • うど橋〜境水衛所 左岸: 60本+α(ほとんどが柵内)

”60本+α”とは、終盤他のことに気を取られて正確な数が分からなくなったからですが、αはたぶん5本以下です。

3.5mほどに成長したオオブタクサ

境橋のすぐ下流の境水衛所の近くには太くて(茎の直径3〜4cm)、巨大(最大草丈3.5mほど)なものが多数ありました。しかし独歩橋より上流では、柵外つまり緑道側にはほとんど無かったので、6月8日に緑道の草刈りをしていた業者にオオブタクサも刈るようお願いした後は刈ってくれたのでしょう。でも、その前に戻って刈ることはしなかったということです。

全てのオオブタクサが柵際に生えている

今日調べて分かったのは、全てが柵際の、土が掘り返された所に生えていたことです。土の中で眠っていた種子が、掘り返されて光が当たるようになったため、芽生えたようです。元々の土に種子があったのか、他所から種子が混じった土を持ってきたのか、どちらかだと思います。柵の工事をした所に聞けば、土を持ってきたかどうか分かるでしょうが、今となっては、生えてきたら抜くだけです。

3.5mのオオブタクサも刈られていた

その後しばらくしてから再度通ったら、ほとんどのオオブタクサが抜かれたり切り倒されて、横たわっていました。柵の外側のも内側のもです。今や関心を持っている人は少なくないので、柵の内側か外側かにこだわらない誰かがやったのだと思います。役所がなかなか動かないので、私としては少し安心しました。

【後日談】柵を設置した東京都西部公園緑地事務所の人に確認したところ、設置工事のために他所から土を持ってきたことは一切無いとのことでした。となると、その場所に以前からオオブタクサの種子が埋まっていたということで、かつてオオブタクサが生えていたということです。つまり、他の場所を掘り返すとオオブタクサが芽生える可能性があることになります。

神田川活動域のオオブタクサ駆除

神田川の上流部に残る貴重な在来水生植物を守るため、我々は丸山橋(三鷹台)までを活動エリアと定め、侵略的な外来植物の駆除を行なっています。今日は、まだ残っていたオオブタクサの抜き取りをしました。

東京都の下水道の多くは雨水も一緒に流す方式で、大雨でオーバーフローした場合は、その分を川に逃す構造になっています。神田川も同じなので、衛生上、雨の当日とその後の数日は川に入ることができません。また、ウェーダー(胴長)を着る必要があり、熱中症を避けるために、高気温かつ直射日光が当たる条件での作業はできません。かなり前から天気予報を見ていて、最高気温が30℃を下回り天候が曇りの今日の午前中に実施することにしました。

出立ちは写真のような感じです。ウェーダーを腰までにし、電動ファン付きのベスト着用です。これに、アームカバーと園芸手袋、草除け泥除けのサングラスも装着しました。マスクは抽水植物をかき分けて進む時には着けますが、除草作業中は外します。杖は、ごろごろ石の川底を歩くときや、草をかき分けるときに使います。結果的には、この格好で大丈夫でした。

オオブタクサ除草中

オオブタクサを除去しているところです。小さいものは引き抜けますが、大きい株は根元を掘って抜き取ります。事前に路上から見たのは20本ほどでしたが、26本ありました。前回の除草の時は小さくて見逃したか、その後に芽生えたものです。除去したものは袋に入れ、仲間に吊り上げて回収してもらいました。写真も撮ってくれました。

オオブタクサとヒロハホウキギク

駆除したものを広げて撮った写真です。左がオオブタクサで、右はヒロハホウキギクです。右端はついでに拾った空き缶とペットボトルです。

今年はオオブタクサを100本ほど駆除しました。2019年から駆除をを始め、その年は1,000本以上の実生を抜き取りました。それ以降は種子の散布をおそらく一粒も許していないのに、埋土種子が今も発芽しているのです。

ヒロハホウキギクは、神田川で上流に向かって分布拡大中の新たな外来植物です。善福寺池にはすでに到達していますが、井の頭池に来るのを阻止できるかどうか試しています。種子が風に乗って散布されるので、なかなか難しそうですが・・・