カワヂシャを増やしたい

神田川の上流部には、環境省の準絶滅危惧種に指定されている希少な在来水生植物カワヂシャがかろうじて生き残っています。絶滅の縁に追い込まれた理由は、繁殖力が強力な外来種オオカワヂシャ(特定外来生物)に生息場所を奪われたからです。神田川上流部のカワヂシャは数年前の東京都某機関の調査では見つからなかったそうですが、我々が調査したところ、10株余りが生き延びているのを確認しました。

そこで、カワヂシャを増やすための活動を開始しました。まず実施したのは、貴重なカワヂシャを覆い隠しているオオカワヂシャを取り除き、カワヂシャが成長し開花・結実できる環境を作ることでした。その結果、翌年は少しだけカワヂシャの数が増えました。

植えたカワヂシャの苗(11月30日)

今年はカワヂシャの種子を採取できたので、その一部を発芽させて、小さな苗に育ったものを、11月30日に試験的に神田川に植えてみました。

大きめからごく小さいものまで、いろいろな大きさの苗がありました。

今日(12月24日)のカワヂシャ

同じ場所の今日の状態です。小さな苗は流されたのか無くなってしまいましたが、残っているものはしっかり根付いたようです。

この付近に植えた多数の苗のうち、10株余りが根付いているようです。

しかし、その周りには夥しい数のオオカワヂシャが芽生え始めているので、今後はそれらを駆除しないと、カワヂシャは育たないと思います。