猛暑下の活動

夏草の百年森

猛暑日が続いています。屋外活動には危険を感じるほどの暑さですが、植物はその高気温でどんどん伸びるので、我々もそう休んではいられません。百年森も、熱中症と新型コロナ感染症に注意しながら、小規模・分散型で除草などの世話を時々しています。とはいえやはり暑いので、今日は軽めの活動とし、現状観察(生き物観察)と、見つけた外来植物の除草をしました。これまでの選択的除草活動の効果で、外来植物はかなり減っています。

在来植物の種まき

そのほかに、公園内の他の場所で芽生えた(今の公園では)希少な在来野草の種子を採取してきて、百年森に蒔く作業もしました。雑木林の木が何本も枯れて伐採されたため、林床に多くの光が入るようになり、昔から眠っていた種子が芽生え、開花・結実したのです。

昔は公園内で普通に見られたのに、最近は見られなくなっていた野草がいろいろあり、その埋土種子が何かのきっかけで芽生えることがあります。そのままにしておくと草刈りで再び消えてしまうので、希少な在来植物は、我々の手で丁寧に除草をしている百年森に移植して、保護したいと考えています。

記録に残らない魚

今朝のザリガニワナ(遮光ドームカゴ)にオイカワのオスの成魚が2匹入っていました。どちらも見事な婚姻色が出ているオスで、記憶に残る美しさでした。写真はそのうちの1匹です。オイカワが獲れたことはほとんど無く、過去にはたったの2回、稚魚が獲れたことがあるだけです。その状況は他の活動でも同様で、かいぼり隊が100基以上設置しているザリガニ捕獲用のドームカゴでも、魚類調査用の張り網でも、ほとんど獲れた記録がありません。

それほどオイカワは少ないのかと思うかもしれませんが、そんなことはなく、かいぼりで水質が良くなった井の頭池に神田川から遡上してきて、今は多数生息しています。池をよく観ていれば、水面近くを群れで泳ぎ回り、水面の虫を盛んに食べているオイカワを見ることができます。

要するに、現在使われているワナはオイカワの習性に合っていないため捕まえることができないのです。ドームカゴはアメリカザリガニを駆除するのが目的ですから獲れなくても問題ないのですが、もしオイカワの生息数を推計する必要があるなら、別の手段が必要です。もしかすると、本当はいるのに、人目につかず捕獲もできないせいで、井の頭池にはいないことになっている別の生き物がいるかもしれません。

ところで、そんなにワナに入らないオイカワがなぜ2匹も同時に入ったのかですが、繁殖期を迎えて他のオスへの対抗心が増した2匹が争っていた拍子に、ワナの中に入り込んでしまったのではないかと想像しています。(トシ)