百年森の二年目

井の頭かんさつ会と井の頭 自然の会の共同で、百年森の世話をしました。新型コロナウイルス感染症の非常事態宣言や外出自粛要請、都立公園の利用自粛要請が出ていたため、百年森での全体活動は今年度まだ2回目です。それらが解除された現在も、都立公園でのボランティア活動自粛要請は続いているのですが、植物がどんどん成長している季節に何もしないでいると、これまで積み重ねてきた努力が台無しになるので、感染防止策をきちんと行うことを条件に、小規模分散型の活動を認めてもらっています。今日は「小規模」と言うにはやや多めの人数でしたが、百年森は広いので、十分な対人距離を確保しながら作業しました。さらに、隣の「ミズタマソウ保護エリア」にも参加者を分散して活動しました。

選択的除草作業中(北から見る)
向かいの白っぽい建物はトイレ改修工事の現場事務所で、7月中に撤去される予定

おもな活動内容は、外来植物除草、放っておくと繁殖しすぎる在来植物の間引き(抜き取りや草刈り)、植物や昆虫などの調査です。我々がこの場所の世話を始めてから一年ちょっと経ちました。活動の効果もあって、最初に芽生えた植物と、現在生えている植物とではかなり違ってきています。いろいろな樹木も芽生え育っています。公園の他の場所から移植した野草や樹木も根付いています。そして、そのような植生の変化に連れて、見られる昆虫などの動物も変化してきています。簡単に言うと、少しずつですが、良い生態系になってきているということです。

侵略的外来水草

かいぼり後に絶滅危惧種の水草ツツイトモが生えてきて、昨年はそれが水中や水面に茂るようすがまるでモネの池ようだと評判になりました。今年は新型コロナウイルス感染症のせいで、その光景を見られなかった人が多いと思います。ツツイトモは今年も元気ですが、じつは、多くの人が気づいていない間に、大変な事態が池の中で進行しています。繁殖力が強力な外来水草、コカナダモがどんどん増えているのです。それが増えると、ツツイトモが生育場所を奪われて減ってしまうでしょう。もっと貴重だと多くの人が思っているイノカシラフラスコモは再び消えてしまうかもしれません。コカナダモは以前から見つかっていますが、業者や井の頭かいぼり隊などが見つけるたびに駆除してきたので、在来の水草が守られていたのです。

七井橋から見たコカナダモ

人間が活動を自粛している間に、コカナダモは池の中にどんどん広がりました。七井橋から近くの水中を見ると、コカナダモが繁っているのが見えます。日本に来たコカナダモは種子を作りませんが、切れた茎が流れ着くと根を出して定着し、どんどん増殖します。5月には、今まで生えていなかった神田川の上流部にも定着しているのを見つけました。

ひょうたん池で駆除したコカナダモ

ひょうたん池にまで生えていることに昨日気づいたので、今日除草をしました。しばらく前までは同じ場所にツツイトモが生えていたのに、すっかりコカナダモに置き換わっていました。定着後まだ間もないので、量はわずかでしたが、切れ藻が次々に流れて来るので、再び定着するでしょう。流れのある場所での駆除は上流側から進めるのが基本です。新型コロナウイルス感染症が早く収束して、池を守る活動に多くの人が取り組めるようになってほしいものです。

コカナダモの繁殖力の凄さを考えると、すでに完全駆除は無理なのかもしれません。戦後間もない井の頭池は水が澄み、水草が繁っていて美しかったそうですが、じつはその多くがコカナダモやオオカナダモだったという話を聞いたことがあります。コカナダモも茂ればそれなりに綺麗ですが、モネの池には見えないと思います。

最後のオオブタクサ?

抜き取ったオオブタクサ

「小鳥の森」の西隣のエリアで今日抜き取ったオオブタクサです。重点対策外来種に指定されている侵略的な(つまり繁殖力の強い)外来植物で、神田川には繁茂しています。しかし私が知る限り、井の頭公園内ではここにしか生えていません。この6メートル✖︎3メートルほどの狭いエリアに、10年ほど前に気づいた時には20〜30本ほど生えていました。

その時も全部抜き取ったのですが、その後も毎年生えてきます。埋土種子が多数あったのでしょう。生えてくるものを毎年、種子ができる前に抜き取り続けたところ、生えてくる数は年々減少しました。埋土種子が無くなれば駆除完了です。ところが数年前、うっかりしていて、チェックするのが遅れ、数本のオオブタクサが種子を散布するのを許してしまいました。当然、次の年には再び多くの芽生えが出てきて、完全駆除の達成が遠のいてしまいました。それでもあきらめずに毎年抜き取りを続けた結果、昨年芽生えたのは3本、そして今年はこの1本だけになりました。これがこの場所の最後のオオブタクサであることを願っています。

ここは面積が狭く、生えていた数も限られていました。オオブタクサは多数の種子を作りますが、風や鳥に運ばれることはなさそうです。川だと水に流されて分布を拡大するけれど、ここではその心配はありません。完全駆除が成功しやすい条件だと思いますが、それでも、ほぼ駆除達成までに10年ほどもかかったのです。井の頭公園でなぜここにだけ生えたのか不明ですが、侵略的な外来植物は持ち込まないのがいちばんの対策です。(Toshi)

ザリガニ駆除2020開始

ドームカゴ組み立て(5月30日)

東京都でも新型コロナウイルス感染症の非常事態宣言が解除され、公園の利用制限も緩和されたので、池の活動を徐々に再開することにしました。5月30日(土)に、ひょうたん池にアメリカザリガニ捕獲用の遮光ドームカゴを3基だけ設置しました。例年ならワナの設置は4月の中旬から始めるので、ひと月半ほど遅いスタートです。天気が悪くない限り、しばらくは毎朝チェックして、ザリガニの生息状況を調べるつもりです。

6月3日に獲れたザリガニ

今朝までのザリガニ捕獲結果は、5月31日:2匹、6月1日:雨のため休み、2日:4匹、3日:8匹でした。あまり獲れなかったらワナを陸に上げて休もうと思っていたのですが、そうはいかないようです。

なお、計14匹のうちの10匹は、神田川への堰に近いワナに入ったものです。夜見に行くと、神田川の源流部にこのサイズのザリガニを複数見かけます。そして、神田川の上流部には間違いなくたくさんのザリガニが住んでいます。多くの遡上現場を確認したわけではありませんが、神田川からひょうたん池へと遡上してくるのだと思っています。つまり、神田川のザリガニが減らない限り、井の頭池のザリガニも減らないということです。