御殿山の外来植物駆除

アメリカセンダングサなどの除草

御殿山の植栽エリアに繁茂した侵略的外来植物の除草を実施しました。植栽エリアとは、雑木林が林床ごと守られている、柵に囲まれた立ち入り禁止のエリアのことです。近年の大きな台風で樹木が何本も折れて伐採されたのに加えて、その後に蔓延したナラ枯れでも多くの木が失われた結果、林床に日が当たるようになり、地中で眠っていたいろいろな植物の種子が芽生えました。その中には希少な在来野草もあったのですが、セイタカアワダチソウやアメリカセンダングサなど、繁殖力の強い外来植物も混じっていました。林床の草刈りがされなくなっていた間に、それらの外来植物が開花結実して大量の種子を散布することが繰り返され、今では林床とは言い難い、外来植物の草むらになっています。我々は芽生えた希少な在来野草を草刈りから守る活動だけをしていたのですが、侵略的な外来植物をこのまま放置するとますます大変なことになりそうなので、できる範囲で駆除に取り組むことにしたのです。

外来植物駆除作業

重点対策外来種に指定されているニワウルシ(別名シンジュ)の実生木などが増えていたので、それらも抜き取ったり刈り取ったりました。近くには大きなニワウルシの木があり、そこから毎年種子が風で散布されます。最近発芽率が高まっている気がするのは、気候温暖化のせいかもしれません。

計7人で作業したので、思った以上に捗りました。とはいえ、今日駆除できたのは広い御殿山のほんの一角だけです。御殿山の維持管理は基本的には管理課の仕事なのですが、貴重な在来植物を温存しながら大量の外来植物を除去するのは、とても手前のかかる仕事なので、理想的にはできていません。職員による機械力を用いた作業と、ボランティアによる丁寧な手作業をうまく組み合わせられれば、良い結果が出ると思います。そして大事なのは、外来植物の駆除は着手が早ければ早いほど良いということです。ここにはすでに大量の埋土種子が眠っているでしょうから、駆除には何年もかかります。あと2、3年着手が早かったら、と思わずにはいられません。

(Toshi)

ヨウシュヤマゴボウ駆除

本日の活動の続きです。前記事のミカンの木がある場所、百年森の隣のエリアに残っていたヨウシュヤマゴボウを除去しました。百年森は2018年まで廃材置き場だった場所で、公園内で出た排土が山積みされていました。それを敷き均して百年森を造成したので、光を受けるようになった埋土種子が一斉に芽生えました。ヨウシュヤマゴボウもその例外ではなく、次々に芽生えるのを我々は見つける度に除去してきました。今では百年森内にはほとんど生えてきませんが、柵の外は別です。そのエリアの外来植物も駆除するようになったのは昨年ごろからです。

ヨウシュヤマゴボウを引き抜く。途中で折れた根は掘り取った
引き抜いた大きな株。根はまだまだ小さい

柵の外は公園管理者による草刈りが行われていますが、この植物は根が何年も生き残る多年草です。根から新たな芽を出して再び成長し、年々根を太らせます。大きな根からは太い茎が育ち、たくさんの実を着けるので、それを鳥が食べて種子をあちこちに散布します。ですから、根が小さいうちに、しかも結実前に引き抜くのが最善で、引き抜けないほど大きくなってしまったら掘取るしかありません。幸い今日は、掘り取らないといけないものは多くありませんでした。放置すると再生する可能性のある根と、結実間近の果実は焼却処分に回しました。

今年この場所で駆除したヨウシュヤマゴボウは計40株ほどになると思います。葉が複雑な色に紅葉し、赤い軸に黒い実の房がいくつも垂れ下がる姿は、私も美しいと思います。好きな人が多いかもしれませんが、有毒植物なので、子供が口にしないよう注意が必要です。強い繁殖力を見ると、やはり駆除すべき外来種だと思います。我々は以前から公園内のヨウシュヤマゴボウの除去を行っていますが、最近数が増えている気がしています。もしかすると、気候がこの植物に合ってきているのかもしれません。

その後は百年森内を一巡して現状を確認し、早めに活動を終了しました。そのレポートは省略します。丁寧な活動をするには暑すぎるし、新型コロナへの警戒も必要ですが、自然から目を離さないでいようと思います。

一本の樹

ミカンの木

土曜日は全体活動の日なのですが、猛暑と新型コロナの感染爆発が続いているため、全体活動は取り止め、それらの危険に適正に対処する自信がある人だけで小規模に活動することにしました。集まったのは3人でした。活動内容は、百年森の世話を少々と生き物観察です。まずは、百年森の外側のミカンの木にいる生き物を観察しました。二人が見ている、樹名板が付いている木です。西園の工事の際、現場事務所を建てるために伐採が決まったのですが、仲間からのクロアゲハがよく産卵する木なので残してほしいという希望を管理者に伝えたところ、建物の位置が少し変更され、残された木です。

卵を守るメス(7月23日)
2齢になった幼虫(7月30日)

目下の観察テーマは、葉の裏で卵を守っているエサキモンキツノカメムシです。先週土曜日は卵だったのに、今日はすでに孵化して、2齢の幼虫になっていました。2齢幼虫はすぐに親元を離れて独り立ちします。子供たちがこの木で吸汁するのか、エサキモンキツノカメムシがミカンの木で卵を守っているのを見たのは初めてなので、注目しています。

この木には他にも卵を守っているメスが少なくとも2組いて、すでに子供たちが親離れ済みのものもいるのですが、この木で吸汁している幼虫をまだ見つけていません。

ナガサキアゲハ前蛹
葉に産み付けられた卵
幹に産み付けられた卵

ミカンの木が好きな昆虫の代表はアゲハの仲間でしょう。上記したように、この木を守ったのはクロアゲハでした。先週も、アゲハ類の若齢幼虫を2匹見つけました。昨日はナガサキアゲハの終齢幼虫が見つかりました。それは今日、蛹になろうとしていました。また、新たに産卵された卵が、葉や幹で複数見つかりました。エサキモンキツノカメムシが利用する樹木や草本は他にもいくつかありますが、クロアゲハやナガサキアゲハなどはミカンの仲間が無いと次の世代を残せません。井の頭公園に少ない大きなミカンの木は、たった一本でも貴重です。

玉川上水のオオブタクサ その後

■ 境橋付近のオオブタクサのことを6月19日に「玉川上水みどりといきもの会議」代表の高槻先生に連絡し、ほかにも生えている所がないか調べてはと進言したところ、先生は「玉川上水花マップネットワーク」にも、オオブタクサがないかチェックするよう指示されました。どちらの会も玉川上水全域をカバーしている組織です。すると6月27日に茜屋橋の近くに群落があることが報告され、別の人が小金井市環境政策課に相談したところ、環境政策課は30日に現地調査をして、柵外(小金井市の市道)の1本を除去するとともに、柵内のものについては東京都(水道局)に連絡してくれたそうです。水道局の対応も迅速で、柵内に生えていた30本ほどが翌日の7月1日に除去されたそうです。名勝小金井(サクラ)を復活させようとしている小金井市にとって、オオブタクサは許容できない外来植物でしょう。

■ 桜橋〜境橋左岸のオオブタクサについては、もう少し複雑です。武蔵野市内ですが、玉川上水用地である柵内(柵を含まず)は東京都水道局境浄水場の所管で、柵を含む柵外は都立玉川上水緑道のため東京都西部公園緑地事務所の所管で、実際に維持管理をしているのは、柵内が東京水道(株)、柵外は緑道の指定管理者である西武・武蔵野パートナーズです。そして実際に草刈りなどを行うのは、それぞれが発注する園芸業者です。

オオブタクサの駆除を要望するため、市や市議によく連絡している知人に6月11日に相談したところ、その5日後に「市議が武蔵野市の緑のまち推進課に連絡してくれ、緑のまち推進課は現場を確認したそうで、東京都の担当(たぶん境浄水場)に連絡すると連絡があった」というメールをもらいました。水道局だけでは片手落ちなので、私は17日に、緑道を主管する西部公園緑地事務所にも対応をお願いし、指定管理者に連絡しておくとの返事をもらいました。

それでどうなったかというと、7月8日の記事「玉川上水のオオブタクサ再調査」に書いた通りで、7月8日の時点ではオオブタクサは6月8日の状態のままだったのです。ただその日に、おそらく一般市民により、ほとんどのオオブタクサが抜き取られたり切り倒されたりしたので、結実する心配はほぼ無くなりました。

7月11日の西部公園緑地事務所からの連絡によると、緑道の指定管理者のスタッフが9日に現場を巡回して、緑道に残っていたオオブタクサを除去し柵内に見つけたものについては東京水道(株)に連絡してくれたそうです。指定管理者にオオブタクサのことを知らせたのは、西部公園緑地事務所ではなく、市民(上記の知人)の投書だったようです。東京水道はすでに右岸の草刈りを始めていたので、その際に左岸も刈ったと返事をくれたそうです。しかし仲間からの情報では、7月13日の時点で左岸はまだ草刈りされていませんでした。その後に草刈りされたかどうかは、情報が無いので分かりません。

自然は繋がっているのに、それを維持管理する側は、縦割りと横割りが複雑で、お互いの連絡がうまく取れていないことが分かりました。そのせいか、単にオオブタクサを抜いてくれるだけでよかったのに、全面草刈りになってしまいました。地元で自然を守る活動をしている人からは、例年の草刈りは晩秋なのに、連絡もなく7月に草刈りされて大事な野草がダメになったと抗議があったそうです。もっともな抗議だと思います。なお、東京水道が草刈りを始めたのは、近隣の幼稚園が虫を嫌うからだと聞きましたが、それもちょっと残念です。

久々の参加人数

除草、草刈り中

11人で百年森の世話をしました。新型コロナの感染状況が落ち着いても、猛暑の日が続き、ときには雨の日もあったりで、保全活動の参加者は少なめでした。今日は気温もやや低かったので、久しぶりに多めの人数になりました。おそらく、コロナ発生以来最多の人数になったのではないかと思います。(もちろん、コロナ前は学生グループの参加もあり、参加人数はもっと多かったのですが。) 人数が多いとさすがに作業が捗り、今の時期にやっておきたいことはほぼできました。

終了時。久しぶりに会うと話したい

除草などの作業は他の人との距離を十分取れるので、マスクを外して作業することも可能です。しかし人間ですから、相談や情報交換をするときや、同じ生き物を観察するときなどは、どうしても近寄りがちです。安全な距離感を身につけるには訓練が必要なのかもしれません。というわけで、集まるときにはやはりマスクが必要です。

コロナ以前は、活動の後に遅めの昼食をとりながら、情報や意見の交換や雑談をする楽しみがあり、それも活動参加の動機になっていました。それがずっとできていないのが残念です。早くそんな時が来て、さらに参加者が増えるとよいと思っています。それなのに、最近感染者が増加傾向なのが気になります。

玉川上水のオオブタクサ再調査

午前中の神田川のオオブタクサ駆除に続き、午後には、玉川上水の桜橋〜境橋間のオオブタクサがどうなったのか見に行きました。オオブタクサは、私が前に見たのとたぶん同じだけ残っていて、しかしさらに大きくなっていました。ざっと数えたところ、次のような本数でした。橋の名前と場所については、例えばこのマップ「玉川上水緑道マップ」を参照してください。

  • 桜橋〜独歩橋 左岸: 31本(うち6本は柵内)
  • 独歩橋〜うど橋 左岸: 7本(全て柵内)
  • うど橋〜境水衛所 左岸: 60本+α(ほとんどが柵内)

”60本+α”とは、終盤他のことに気を取られて正確な数が分からなくなったからですが、αはたぶん5本以下です。

3.5mほどに成長したオオブタクサ

境橋のすぐ下流の境水衛所の近くには太くて(茎の直径3〜4cm)、巨大(最大草丈3.5mほど)なものが多数ありました。しかし独歩橋より上流では、柵外つまり緑道側にはほとんど無かったので、6月8日に緑道の草刈りをしていた業者にオオブタクサも刈るようお願いした後は刈ってくれたのでしょう。でも、その前に戻って刈ることはしなかったということです。

全てのオオブタクサが柵際に生えている

今日調べて分かったのは、全てが柵際の、土が掘り返された所に生えていたことです。土の中で眠っていた種子が、掘り返されて光が当たるようになったため、芽生えたようです。元々の土に種子があったのか、他所から種子が混じった土を持ってきたのか、どちらかだと思います。柵の工事をした所に聞けば、土を持ってきたかどうか分かるでしょうが、今となっては、生えてきたら抜くだけです。

3.5mのオオブタクサも刈られていた

その後しばらくしてから再度通ったら、ほとんどのオオブタクサが抜かれたり切り倒されて、横たわっていました。柵の外側のも内側のもです。今や関心を持っている人は少なくないので、柵の内側か外側かにこだわらない誰かがやったのだと思います。役所がなかなか動かないので、私としては少し安心しました。

【後日談】柵を設置した東京都西部公園緑地事務所の人に確認したところ、設置工事のために他所から土を持ってきたことは一切無いとのことでした。となると、その場所に以前からオオブタクサの種子が埋まっていたということで、かつてオオブタクサが生えていたということです。つまり、他の場所を掘り返すとオオブタクサが芽生える可能性があることになります。

保護柵内の笹刈り

御殿山の雑木林内にも、守りたい植物のための保護柵がいくつかあります。しばらく世話をしていなかった間に草やササが伸びて、保護したい植物が埋もれそうなので、刈り取りをしました。

シオデ保護柵内の草刈り

写真はシオデを機械的な草刈りから守るために3年ほど前に保護柵を設置した場所です。雌株と雄株が無いと結実しないシオデの実が見られるのは、園内ではここだけでした。柵で囲うと、その中の草刈りは我々が丁寧にやることになります。ツルは光を求めて伸びるので、草刈りをしなくてもシオデがすぐにダメになることはないのですが、地上部は秋に枯れ、次の年には地下茎を伸ばして日当たりが良い場所に芽生えるので、柵からどんどん出ていき、刈られてしまうことになります。

ヤブの笹刈り

ここは別のツル性樹木を保護している、ムラサキシキブやマユミなどの茂みです。そういうツル植物にとって、背が高くない樹木がある茂みの存在は大切です。小鳥などの生き物にとっても貴重です。しかしあまり繁すぎると園内の見通しが悪くなるので、伸びすぎた笹などを刈りました。

今年度から「多様な生物が生息する都立公園づくり事業」が井の頭公園で始まりました。今後はいろいろな生き物が暮らせる環境を公園管理者が整備し維持するようになってほしいです。

保全活動としての自然観察

土曜日に実施している保全活動班の全体活動ですが、今年度はほぼ百年森と水玉エリア(ミズタマソウ保護エリア)だけの活動になっていました。新型コロナが落ち着きを見せ、新たなメンバーも増えたので、より広い知識と視野で活動してもらいたくて、今回は公園内の自然の状況を皆で観察して回ることにしました。

参加者は7名のみでしたが、植物、野鳥、昆虫、菌類、トータルな自然環境など、日頃から詳しく観察している人が、持っている知見や改善すべき問題点などを、他の参加者と共有しながら、園内を観察して回りました。

もちろん、観察をすれば新たな発見があります。そのたびに時間をかけたので、予定したコースの一部しか回れませんでしたが、それぞれが新たな知識を得ることができました。とても面白かった、という意見が多かったので、今後も時々実施したいと思います。自然の面白さや大切さを知るほど、保全活動に参加するモチベーションが高まります。

以下は、観察したことのほんの一部です。

クヌギの切り株に発生したカエンタケ

触っただけで皮膚がただれるという猛毒きのこカエンタケ。ナラ枯れした木によく発生する。昨年多数発生したが、今年も出てきた。ナラ枯れ菌を運ぶカシノナガキクイムシが、カエンタケの菌も一緒に運ぶという説がある。カシノナガキクイムシもカエンタケも在来種なのに、近年になってナラ枯れが広がったのは、薪炭用に植えたナラ類を利用しなくなり、カシナガが好んで穿孔する大径木になったのが理由らしい。

地面がカチカチの御殿山の広場で、改良策について説明

台風やナラ枯れで樹が無くなり、来園者に踏み固められて草も生えない御殿山の広場。今後の改良策について、意見を出した本人が説明。

周りの植栽エリアも樹木も減ってしまったので、今後どんな樹を植え、どのような環境に維持管理していくかも、大きな課題です。

子育てシーズン中の野鳥がいろいろ見られ、カメラマンが何人もいましたが、私は鳥の写真を撮れないので省略。とにかく、野鳥にとっても野鳥ファンにとっても、井の頭公園の環境は重要です。珍しい鳥の情報が伝わると人が押し寄せすぎるという問題もあります。

ハチガタハバチ幼虫

ヤマユリの葉を食べ、その葉の上で休んでいた、ハチガタハバチの幼虫。鳥のフンに擬態しているらしい。ちょっと不思議な名前は、成虫がアシナガバチの一種ムモンホソアシナガバチに擬態しているかららしい。ハバチ(葉蜂)もハチですけど!? 虫の生態も人間の命名も不思議です。植物の種類が多いほど、見られる昆虫の種類も増えます。

ラミーカミキリ。美しいカミキリムシですが外来種です。ラミーの仲間のカラムシやヤブマオがある井の頭公園でも増えています。

特定外来生物に格上げ?された蝶アカボシゴマダラもそうですが、繁殖力が強い外来昆虫がいったん増えてしまうと、駆除は困難です。

希少植物発見

井の頭公園では1箇所にしか生き残っていないと思っていた在来植物をここで発見。手入れの仕方が改善され、環境が良くなれば、姿を消していた植物が復活する可能性があります。

その植物が写真のどこにあるか分かりますか?

最近池の周りに何箇所か造られた剪定枝槽。樹木を剪定すると出る枝や葉は、今までは園外に搬出されて処分されていたのですが、今後はここに入れられ、腐葉土などとして再利用されるそうです。そこは虫などが暮らす場所にもなるでしょう。

我々は、園内の低木や植え込みの剪定の仕方についても、改善を要望してきました。園芸職員が増員され、剪定の方法も改善されています。

我々が園内外の自然をよく観察し、自分たちで可能な活動は行いながら、管理者に報告や要望をすることは、意味があることなので、今後も続けていきます。

百年森の三年

百年森パノラマ

西園の一角にある「百年森」は、生き物最優先の場所にしたいと、2019年の5月11日に3団体共同で世話を始めてから三年になります。その隣にあるミズタマエリア(ミズタマソウ保護エリア)はもう少し早くから関わっていますが、今は一体と考えて同時に世話をしています。

エザ
エゾノギシギシの根

今日は明け方まで雨だったので、作業は控えめにして、状態チェックや生き物観察を中心に活動しました。とはいえ、気になった外来植物の駆除も少しやりました。写真は巨大な葉をつけていたエゾノギジギシで、根も巨大でした。こんなに大きくなるまで掘り取っていなかったのは、単に同定をサボっていたからです。

両エリアとも、トキワツユクサやハルジオンなど、しつこい種類はまだ残っていますが、外来植物を積極的に除去してきたので、公園の他のエリアと比べるとかなり少ないです。また、園内で見つけた希少な在来植物を草刈りされる前に救出して、ここに移植する活動もしてきました。今では在来植物の種類がだいぶ増えています。ミズタマエリアは最初は「ミズタマソウ保護エリア」と読んでいました。井の頭公園ではここにしか無かったミズタマソウを保護するために囲ってもらったエリアだからです。しかし保護している植物が増えたので、長い名前は使いにくいこともあり、呼称を短縮しました。

ヒダリマキマイマイ

写真はミズタマエリアにいたヒダリマキマイマイの一部です。生息数が減っているという、地上性のカタツムリですが、玉川上水沿いの樹林と連続しているこの場所には多数生息しています。今日は雨上がりなので、よく見て歩かないと踏み潰しそうなほど出歩いていました。

若木も育ってきた

百年森という名前も、短い呼称がほしくて我々が名づけたものです。良い環境に育てるには何年もかかるので、次の世代、そのまた次の世代と活動を引き継いでいってほしいのです。まだ百分の三しか経っていませんが、しだいに環境の複雑さが増し、生き物が増えています。百年森は玉川上水とは少しだけ離れていますが、多様な生き物が暮らせる環境として、お互いに補い合う場所になってほしいと願っています。

三鷹市から感謝状

三鷹市から感謝状をいただきました。

2020年に三鷹市が市政施行70周年を迎え、一年延期されていた記念式典が今年の11月3日に行われたそうです。その一部として、功労のあった個人・団体・企業などに三鷹市から感謝状が贈られたそうです。対象者がかなり多かったようで、式典からだいぶ経ちましたが、本日市役所で、生活環境部長から感謝状を手渡していただきました。

環境対策課の推薦だそうで、当会が2005年から自然観察会と環境保全活動を続けていること、2007年に「三鷹市環境活動表彰」を受けたこと、2016年には環境対策課の推薦で環境省の「水・土壌環境保全活動功労者表彰」を受けたことなどが評価されたそうです。

三鷹市の発展につくしたかどうかは疑問ですが、16年以上、曲がりなりにも活動を続けてこれました。活動に参加していただいた皆さんと、支援や応援をしていただいた皆さんにこそ、感謝状を贈りたいです。ありがとうございます。(トシ)