今年度2回目のオオブタクサ駆除

とても巨大になるオオブタクサが繁茂すると、景観上問題なだけでなく、大量の花粉を風で飛ばすので花粉症の原因にもなります。他の植物が生えられる場所を占有してしまうので、在来の生態系を守るためにも駆除すべき外来植物です。当会では、活動範囲である神田川の丸山橋(三鷹台駅)より上流のオオブタクサを根絶すべく、3年ほど前から駆除活動をしています。

ヒメガマの間を進む

今日は、6月2日に続き、今年度2回目の駆除を実施しました。今の季節、川にはミクリの仲間やヒメガマ、マコモなど背の高い草が茂り、歩ける場所は限られています。その細い水路を進んでいくと、葉に止まっていた多数のハグロトンボが次々に飛び立ち、我々の周りをひらひらと舞うので、秘境を進むような感覚がありました。

駆除したオオブタクサほか

目的の島(洲)もイネ科ほかの草に覆われているため、その下にあるまだ小さなオオブタクサまで見つけて抜き取るのは、ちょっと大変でした。結局、丸山橋に近い三つの島で計62本のオオブタクサを駆除しました。ちなみに、前回6月2日は108本でした。昨年はかなり頑張って駆除を繰り返し、結実を阻止したので、今年生えてきたものは一昨年以前に落ちて土中で眠っていた種子から芽生えたものです。おそらくまだ見逃しがあり、それが結実し種子を落とすと元に戻ってしまうので、結実の時期までにもう一度は駆除を繰り返す必要があるかもしれません。新たな種子散布を阻止できたとしても、埋土種子がほぼなくなるには、おそらく数年はかかると思います。

オオフサモ発見

途中、特定外来生物のオオフサモを1本だけ見つけました。駆除と監視を続けた結果、今ではほぼ無くなったのですが、茎や地下茎の一片でも残すと再生するので、根絶はいまだにできていません。他の水生植物が茂っている季節は発見が困難ですが、それ以外の季節なら、岸から観察すれば見つけられます。侵略的外来植物の駆除は見つけたらすぐ始めるのが効率的かつ経済的です。丸山橋より上流のオオブタクサは、発見はもっと早かったのですが、我々が川に入って駆除活動をできるようになったのはほんの3年ほど前なので、今も駆除に手がかかっています。特定外来生物のオオカワヂシャは、我々が16年以上前に知った時はすでに広い範囲に蔓延していたので、根絶は絶望的です。

くぼみあり危険

注意看板

神田川の左岸親水広場にあった看板です。よく目立つ看板ですが、意味を理解できる人がどれだけいるでしょうか。何が危険なのか知っている私には分かりますが、知らない人に危険の存在を知らせるのが注意看板だと思います。この記事を読んでくれる人がはたしてどれだけいるのか知りませんが、説明しておきます。

洗掘(5月14日撮影)

川にはくぼみがいくらでもありますが、この看板が言う「くぼみ」とは、写真のもので、丸山橋の下流側右岸にできている大きなくぼみのことです。土木用語では「護床洗掘(ゴショウセンクツ)」と言うそうです。橋の下のコンクリート床を流れる水が床の端で渦巻き、川底の土砂を削ってできる大きなくぼみのことです。我々が深さを測ったら1.5mぐらいありましたから、気づかずに踏み込むと落とし穴のようになり、溺れる危険があると思います。川の中にいると視線が低く、水面の反射で水の中が見えないため、よほど注意していないと気づきません。

河川管理者に、そのくぼみ(洗掘)を改修するか、すぐには無理ならせめて注意看板を設置するよう意見を送ったのですが、「その場所は閉鎖管理されており、無理矢理入る場合は自己責任になるので、必要ない」というような返事でした。我々も自己責任という点に異論はないし、そのつもりで事前の調査と準備をして活動しています。しかし、神田川の水質が良くなり生き物が増えた結果よく見かけるようになった、川に入って魚獲りをする子供がそれを理解しているとは思えません。閉鎖管理と言いながら、柵が簡単に乗り越えられるのも問題だと思います。魚を獲りに丸山橋まで行く子供はあまりいないかもしれませんが、いない保証はありません。そしてその子供たちは、洗掘の存在を知りません。そういうやりとりを管理者と何度かしたところ、私の意見を関係部署に知らせるとの返事があり、その後設置されたのがこの看板です。意味を正確に伝えるのはなかなか難しいです。それよりも洗掘を早く改修する方が早いかもしれませんね。

宣言下の全体活動

4月24日以降は全体活動を休止して、少人数での随時活動をしてきましたが、植物がどんどん成長する時期で、保護エリアの世話がとても間に合わないため、今日は、井の頭自然の会にも呼びかけて、久しぶりの全体活動を実施しました。今も緊急事態宣言中ですが、活動場所の百年森とミズタマソウ保護エリアは広いので、コロナ感染防止上必要とされている注意点を守れば、リスクは十分低いと判断しました。参加者は計7名、多すぎず少なすぎずの、ちょうど良い人数だったと思います。

除草作業中

おもな活動内容は、増えすぎて他の植物が育つのを邪魔してしまう在来植物(カナムグラ、アシボソ、ヤブミョウガなど)の間引きです。まだ残っている侵略的外来植物(トキワツユクサほか)の駆除もしました。最初の年(2019年度)と比べると大幅に減りましたが、侵略的と言われる外来植物はさすがにしぶとく、終わりはなかなか見えません。おそらく、終わりはないのだと思います。駆除を続けていればさすがに数が減るので、それぞれの植物の生存戦略を観察・理解し、対抗策を考えながら、楽しんで付き合っていくのが良いのだと思います。

間引いた在来植物はその場で腐らせ、土に還す

選択的除草では、作業後もスッキリした景色にはなりません。でも、今日やりたいと思っていたことはとりあえずできたので、気持ちの上ではスッキリしました。参加者の皆さん、お疲れ様でした。