百年森 11月の合同活動

井の頭 自然の会と、百年森の合同活動を実施しました。このところ台風などで天気が悪い日が多く、活動可能かつ多くの人が参加できる日を見つけるのに苦労しています。今日の参加者もちょっと少なめの6名でした。

草刈りのようす
百年森の草刈り

作業のメインは百年森の選択的除草です。ここには生えていてほしくない外来植物を掘り取り、枯れ始めた在来植物を刈り取ります。外来植物はこれまで繰り返し除草してきたので、初夏から初秋に比べると、大幅に減りました。在来植物もほとんどが種子を作り終えて枯れ始めているので、来春の芽生えがしやすいよう、その多くを刈り取ったり抜き取ったりしました。先月の活動では、公園の他の場所ではほとんど見かけない野草が複数種類生えてきたのを確認しましたが、今日の活動でも複数の種類の若木を新たに見つけました。百年森の世話を初めてまだ半年ですが、徐々に多様性が高まってきているのを感じます。

人数が多くなかったので、今日は全部の範囲はできませんでした。年内には全域の草刈りを終える予定です。

作業後の百年森

右の写真が作業後のようすです。かなりの量の草を除去したにもかかわらず、すっきりしない、変わり映えがしない、という意見もあるかもしれません。でも、それが大事だと考えています。生き物最優先の場所ですから、それまで暮らしていた生き物が突然居場所を失うような草刈りは避けたいのです。刈り取った在来植物や拾った落ち枝は、生き物たちの隠れ場所になるよう、数カ所に積み置きました。気温もだいぶ下がってきたので、作業中に見かける虫の種類や数はだいぶ少なくなりましたが、日が暮れるころそばを通った人によると、草むらでたくさんの虫が鳴いていたそうです。

神田川の活動再開

作業前のキショウブ

今日の活動のひとつとして、神田川のキショウブ除去の続きを実施しました。前回が7月24日だったので、じつに10週間ぶりの作業です。長い中断の理由は、今年の猛暑・酷暑でした。通気性のないウェーダー(胴長)を着て作業をする必要があるのですが、尋常でない暑さでは熱中症の危険があります。猛暑は9月も収まらず、10月になってようやく気温が少し下がったので、駆除を再開することにしました。それでも気温は28℃、身の危険は感じなかったものの、短時間の作業で汗だくになりました。三鷹市が回収してくれる量が限られていることもあって、残りは先送りとしました。

作業後

除去作業をしてみると、”侵略的”外来植物とされている理由がよく分かります。キショウブの根茎(地下茎)は長く地中を這い、互いに絡み合っています。そこから生える葉も密に茂ります。そのため、他の草が生えられなくなるのです。写真で草が除去されている場所は、何回もかけて作業した結果で、今日の分はその一部にすぎません。じつは、神田川上流部の希少水生植物が生えているエリアは、ここから下流です。そこにもキショウブがあちこちに定着していて、希少な植物の生育場所を侵略しつつあります。

繁殖力が強いキショウブも、地道に除去を続ければ減らせます。しかし、暑すぎて人間が作業ができない間に、キショウブは高気温を謳歌して増殖しています。気候温暖化は高温に強い外来植物の侵略を助けていることになります。

 

 

 

キショウブ駆除

キショウブ除去(6月19日)

6月19日から神田川のキショウブの駆除を始めました。種子や根茎は上流から下流へと流れていくので、駆除は上流側から進めます。井の頭池畔のキショウブ群落はすでに井の頭かいぼり隊が除去してくれています。我々は神田川の源流部、井の頭公園駅付近の二つの群落から始めました。川の縁に溜まった柔らかな泥に生えていたので、思っていたより簡単に抜き取れました。

キショウブの根茎

夕やけ橋近くの群落には、ハナショウブが混じっています。誰かが植えた園芸種ですが、繁殖力は強くなさそうなので、それは残します。しかし、その識別が簡単ではないことが分かりました。葉の特徴はとても似ています。以前花ガラを切除した痕と、根茎の違いでキショウブを識別しました。キショウブの根茎は太く長く伸びて地中を這っています。栄養がたっぷり蓄えられていそうです。多分それが、キショウブのすごい繁殖力の理由のひとつなのだと思います。

回収上限に達して終了(6月26日)

 

神田川の管理者である北多摩南部建設事務所(略称:北南建)は調布市にあるため、除草量が多くないと、ゴミ処理業者を派遣してくれません。我々が井の頭池の活動のついでに除草できる量では回収に来てくれないのです。そこで、地元自治体である三鷹市のゴミ対策課に相談したところ、縦割り行政の壁を超えて、少量なら家庭ゴミの回収時に回収してもらえることになりました。しかし逆に、その量には上限があるため、一度に除草できる量は限られます。市民ボランティアの良いところは、少しずつでも繰り返し活動できることで、外来植物の駆除ではとても大事なことです。気長に駆除を進めるつもりです。

 

 

百年森 三回目の除草活動

6月22日(土)、井の頭かんさつ会と井の頭 自然の会の合同活動として、計10名で「百年森」の除草作業を実施しました。4月には更地だった場所ですが、いろいろな植物が芽生え生長してきたので、望ましくない植物を見分けて取り除く作業です。

除草作業中

三回目の除草なので、これまでとても多かった、ナガミヒナゲシ、アメリカセンダングサ、ヨウシュヤマゴボウなどの外来植物はだいぶ少なくなっていました。それでも前回見逃したり、その後に芽生えたものを丁寧に除草しました。こんなに外来植物が多いのは、管理ヤードだった時に公園のあちこちから持って来られ積み上げられていた土を、この場所を整地するとき敷き均したからです。その土の中におびただしい数の埋土種子が含まれていたわけで、井の頭公園にはそれだけ外来植物がたくさん生えているということです。

今回はカナムグラを減らす作業も行いました。カナムグラは在来植物ですが、つるを伸ばしてどんどん広がるので、他の植物が生えられるよう、カナムグラが生える範囲を制限しなければなりません。実際のところ、その作業のほうが外来植物の除草より大変でした。

増えてきた虫を観察

植物が次々にしかも大量に芽生えてきたときはどうなることかと思いましたが、何度か除草を繰返せば落ち着くことが分かりました。草が生えると、それを食べる虫が増え、虫が増えると、それを食べる生き物もやってきます。今後も、生き物たちにとって望ましい環境とはどんなものかを考えながら、除草作業を続けるつもりです。

 

 

オオフサモ摘み取り

オオフサモ摘み取り(6月5日)

2月13日(水)に駆除を実施した特定外来生物オオフサモが復活してきたので、6月1日(土)と5日(水)の二回に分けて、摘み取りを実施しました。固定された丸石の隙間の泥に根茎が残っているため、完全駆除は困難です。そこから伸びてきたものを繰り返し摘み取り、衰退させる作戦です。じつは4月29日にも再生してきたのを摘み取っているので、三度目の除草です。発見が比較的早ければ、除草量は少しで済みます。

摘み取ったオオフサモ(6月5日)

2月13日と比べるとだいぶ楽な作業でしたが、もう少し早いと衰退させる効果がもっとあったかもしれません。ただ、夏は周りの草も茂るので、オオフサモが再生してきていないか調べるのは大変です。1ヶ月に一度ほど見まわり、再生していたら除草すれば、広がるのを抑えられると思います。

なお、オオフサモは特定外来生物なので、駆除したものを不用意に運ぶと、かえって他の場所に広げてしまう恐れがあるだけでなく、外来生物法違反で処罰される可能性もあります。許可を得た上で規則に則って適切に処分することが必要です。

 

神田川のキショウブ

鮮やかな黄色の花を咲かせる、キショウブというアヤメ科の植物をご存知でしょうか。ヨーロッパから西アジアが原産で、明治時代に園芸植物として日本に持ち込まれたそうです。あちこちに植えられているので、見たことがある人は多いと思います。しかし、それが「重点対策外来種」に指定されている侵略的な外来植物であることを理解している人はまだ少ないようです。

神田川に定着したキショウブの例(5月15日)

井の頭池と神田川を見れば、それが侵略的であることは疑いようがありません。井の頭池の一角と神田川の夕やけ橋近くの群落は人が植えたものですが、それより下流に分布しているものは、流下した種子や根茎から芽生えて定着したものです。源流部から丸山橋までを5月15日に調査したところ、花を咲かせている群落だけで11ヶ所ありました。まだ花を咲かせていない株も複数見つかりました。このまま放置すると、カワヂシャ、サジオモダカ、ミクリなどの希少水生植物が生えられる場所が減ってしまいそうです。

切除した花ガラ(種子が実る前の子房)(6月1日)

そこでキショウブの駆除に乗り出すことにしたのですが、河川管理者の了解は得られたものの、駆除したもの(毎回少量づつ)を引き取ってもらう方法が見つからなかったため、とりあえず、さらに分布が広がらないよう、11ヶ所を4回に分けて、種子が実る前に花ガラを切除することから始めました。写真はそのうちの1回のものです。

今後キショウブを処分する方法が見つかったら、キショウブ本体の駆除に乗り出すつもりです。(Toshi)

神田川の希少植物探し

除草作業
豪雨の中、ずぶ濡れで作業しました

4月24日に二回目の神田川での活動を実施しました。一回目の2月13日時点では識別不能だった、希少在来植物「カワヂシャ」と、特定外来生物「オオカワヂシャ」が識別ができるほど生長したからです。カワヂシャを見つけ、その生育を妨げているオオカワヂシャを少しでも多く除草するのが、この日のミッションです。河川管理者の北多摩南部建設所(北南建)が多忙で動けなかったため、作業は井の頭かんさつ会の7名だけで実施し、除草した草と拾ったゴミを翌日北南建に回収してもらうことになりました。

オオカワヂシャの中のカワヂシャ
カワヂシャはこのうち1株のみです

ところが、開始間もなく降り始めた雨がすぐに豪雨になったため、予定していた作業の一部しか実施できませんでした。それでも、事前の岸からの調査では3株しか見つかっていなかったカワヂシャを新たに7株見つけました。

また、2月13日にオオフサモを駆除した場所にオオフサモが再び芽生えてきていたので、除去しました。丸石の隙間にたまった泥の中に根や地下茎がどうしても残り、そこから再生するので、繰り返し摘み取る必要があります。その付近にはやはり希少植物であるミクリの仲間が生えているので、その生育可能エリアを狭めているオオカワヂシャの除草も行いました。ゴミも拾ったので、作業をしたエリアは在来植物にとってだけでなく、岸辺から眺める人々にとっても、気持ちの良い川になったと思います。

その後も岸などからカワヂシャを探したところ、夕やけ橋から三鷹台の京王線鉄橋までの間で、さらに9株のカワヂシャが見つかっています。たったの計19株では、川を覆いつくしているオオカワヂシャに対してじつに心許ない数ですが、今後もオオカワヂシャの防除を続ければ、復活の可能性はあると思っています。

 

 

名草の芽

A

公園内を見て回ったら、当会で保護活動をしている植物が芽を出していました。春が来たのを実感するときです。そのうちの6種類を載せてみましたが、植物の名前がお分かりでしょうか。花を見れば分かる人でも、芽生えは難しいと思います。でも、それらを一年中見守り、世話をしている我々には分かります。

B

ある植物を保護するには、そのライフサイクルを知ることが必要です。生長の各段階に何が必要で、どんなことが障害になるのか分かるからです。

 

花を見て名前が分かっても、その植物を分かったことにはなりません。ライフサイクルを知って初めて、その植物を分かったことになるのだと思います。そしてそうなると、芽吹きがとても嬉しく思えるのです。

C

ライフサイクルを知ることが重要なのは、防除しようとする外来植物も同じです。なぜ侵略的と言われるほど強いのか、その優れた能力が理解できます。そしてそれでも、弱点が無いわけではないことも分かります。

これら6種類の在来植物の名前はそのうち書きたいと思いますが、各写真のファイル名を見られる人には分かります。

D
E
F

 

年度最後の活動

今日は2018年度最後の活動日です。亜大富士山クラブから、かんさつ会メンバーより多くの参加がありました。今日が最後の参加になる四年生も二人来てくれました。その後を継ぐことになる三年生に我々が何を保全しようとしているのか理解を深めてもらうため、最近はできるだけ自然を観察しながら活動することを心がけています。前回は三角広場まで行き、その周辺に分布を広げている結実型のトキワツユクサなどの外来植物を除草しました。今回は、寒い日で花見客が心配したほどいなかったので、井の頭池の周りを見て歩きました。

ナガミヒナゲシを除草

本日のメインミッションは、池尻の園路脇を占拠していた外来種ナガミヒナゲシを除草し、そこに、となりの保護エリアで保護している在来種キランソウの一部を移植することでした。ナガミヒナゲシは、好きな人も多いのですが、それこそ”ケシ粒のような” 微小な種を大量に撒き散らして広がるので、道ばたに他の草が生えられなくなるのです。これまで除草に取り組むのを躊躇していたのですが、10人でやってみたら、あっという間でした。

移植したキランソウ

今後は、移植したキランソウを守るために、埋土種子から芽生えてくるナガミヒナゲシを除去し続ける活動が必要です。

亜大富士山クラブは、授業で保全活動に参加したのがきっかけになり、今の四年生により設立され、それに三年生も加わって、当会の保全活動に協力してくれるようになりました。2019年度もその活動が新四年生にしっかり引き継がれることになったのは、我々としても嬉しいかぎりです。

池と川のつながり

堰の横壁を登るエビ

暖かかった今夜、スジエビやシナヌマエビが水門橋の堰をよじ登っているのが見られました。この堰より上流が井の頭池で、下流が神田川です。エビたちは川から池へ遡上しているのです。たとえばスジエビは、メスがお腹に抱えていた卵を放出するとき孵化します。孵化したばかりの幼生は浮遊するプランクトンなので、そのうちのかなりの割合が井の頭池から神田川に流下するはずです。そして川で成長したものが、ふたたび井の頭池へと遡上してくるのでしょう。

しかし、神田川にはこの堰だけでなく、夕やけ橋の下流には落差1mほどの滝(落差工)があり、もっと下流にも遡上の障害になる地形があります。本当にそのような障害を乗り越えられるのでしょうか。どれぐらいの数のスジエビが遡上してくるのか調べるため、昨年の7月の夕方、水門橋の上流側に張り網を下流側へ向けて設置しました。翌朝の活動時にチェックしたら、753匹ものスジエビが入っていました。張り網の周囲には隙間があるので、くぐり抜けて上流へ向かったものや、上流から来て網に入ったものがいる可能性もありますが、たくさんのスジエビが遡上してきていることが分かりました。我々が想像していなかった数ですが、写真のような光景を目撃すると頷けます。

井の頭池と神田川を行き来するのはスジエビだけではありません。クロダハゼも堰をよじ登っているのを見かけるし、時々池で見つかるモクズガニやウナギも、それらの生態からすると、神田川から遡上してきているはずです。かいぼり後に池で見られるようになったオイカワも、神田川で見かけるようになった数年後に池で見つかったので、流れ落ちる水を泳ぎ切って遡上したのだと思います。望ましくないほうでは、外来種のシナヌマエビやアメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメなども遡上して、あるいは陸上を歩いて池にやってきます。しかし、いちばん来てほしくないオオクチバスとブルーギルは、滝や堰に阻まれて遡上してこれないようで、だからこそ、かいぼりをする意味があるのです。