植物に活動自粛なし

新型コロナウイルス対策のため、当会も定例の保全活動を3月以降休止しています。しかし、植物が成長を始めてからは、保護植物の世話だけはごく少人数で、必要最小限続けてきました。植物は活動自粛をしてくれないので、放置しておくと、繁殖力のある他の植物に日光や生育場所を奪われて、我々が保護対象としているか弱い在来植物が衰退してしまうからです。例えば写真の場所では、時々草取りをしたので、オオジシバリ(写真奥)、ムラサキサギゴケ(中央)、およびジシバリ(別名イワニガナ)の三種が綺麗な花を咲かせてくれました。

ひょうたん池北岸の植物保護柵

いずれも井の頭公園ではほとんど見られなくなっていた在来植物で、園内の自生場所から一部を移植したものです。その目的はおもに次の三つです。

  1. 池への表土流失防止
  2. 自生場所が破壊された場合の予備
  3. 来園者の啓発

園内では業者による草刈りが年に数回行われるのですが、貴重な植物がなかったときは、地面まで刈り払われることが多く、裸地化して表土が雨水とともに池へ流出していました。それは岸辺にとっても池の水質にも良くありません。そこで、園内で見つけた希少な在来植物の一部をここに移植して世話をすることで、岸辺の裸地化を防ぎたいと考えたのです。公園管理者が認めてくれれば、保護柵内の除草などの世話は当会がするので、過度な草刈りを防ぐことができます。

公園を訪れる人の多くは豊かな緑に惹かれて来るのですが、園内に生えている多く植物のうち、どれが貴重な植物で、どれが望ましくない植物かを知っている人は多くありません。貴重な植物を園路沿いに植えて見られるようにすれば、多くの人に知ってもらうことができます。外出自粛要請が出ていても、健康維持のための散歩に来園する人は多く、花に気づいて足を止める人や、写真を撮っている人がけっこう見られました。

明後日25日から5月6日まで「ステイホーム週間」とのこと。少人数での活動もその間は自粛予定です。

神田川連続ポイ捨て事件

2月8日のゴミ拾いで明らかになった、「神田川トリス缶連続ポイ捨て事件」。川の観察を続けたら、その後も500ml缶と350ml缶の計2缶が毎日捨てられていることが分かりました。川にゴミを捨てるのは、軽犯罪法や河川法施行令に違反する犯罪です。毎日2缶となると、軽犯罪法のレベルではないと思います。交番に相談したら、パトロールを強化してくれることになったのですが、さらなる観察で缶が捨てられる時間帯が分かったので、お巡りさんに連絡したら、2月17日の夕方に、その人物が飲み干した缶を川に投げ込んだのを確認して、身元確認と厳重注意をしてくれました。

再度の缶拾い

これでポイ捨ては止まるものと期待して、今日の活動時に、彼が8日以降に投げ込んだ缶をすべて拾ってしまうことにしたのです。缶があったのは、左岸親水広場から夕やけ橋までの間です。そのついでに、8日に拾い残したゴミも拾ったのですが、細かいゴミはまだまだ残っていることが分かりました。

今日拾った缶と瓶

写真が、今日拾った缶と瓶です。問題のトリスハイボール缶は20個ありましたが、2個は古かったので、8日のゴミ拾いより前からあったものでしょう。8日以降、17日までに川にポイ捨てされたのは18缶ということになり、やはり1日2缶です。17日はお巡りさんに見つかって2個目を捨てられなかったし、14日の1個は別の場所に捨てたのです。神田川の近くに住んでいるらしいその人物がどうして缶を捨てるのか聞いてほしかったのですが、叶いませんでした。

ゴミの存在は新たなゴミ捨てを誘います。ゴミが一掃されたので、ゴミを捨てる人がいなくなると良いのですが・・・

神田川のゴミ拾い

C班

神田川の希少水生植物を守る活動を一年前に始め、その後も継続しているのですが、大きな問題が外来植物のほかにもあります。そのひとつが、ゴミが多数落ちていて汚らしいため、人々が神田川をよく見ていないことです。もう少し気持ちの良い川にするため、河川管理者の了承をもらい、先日からゴミ拾いを始めています。今日はその三回目で、亜大富士山クラブと井の頭自然の会にも協力をお願いし、総勢9名でゴミ拾いを実施しました。

合流したA班とB班

8名が三班に分かれてゴミを拾いました。もう1人(私)は地上でのサポート担当です。川沿いの道路から何事かと川を覗き込んだ人たちが、我々がボランティアでゴミ拾いをしていることを知って、感謝の言葉をかけてくれました。川に捨てられているゴミを何とかできないのかと思っていた人は少なくなかったようです。

夕やけ橋〜丸山橋間にあったゴミ

写真が、今日まで三度のゴミ拾いの結果です。ビニール袋に入っているのはプラスチック類と不燃物です。650mほどの間にこんなに多くのゴミが捨てられていたのです。中でもいちばん呆れたのが、同じ種類の缶がとても多かったことです。空き缶が全部で145個あったうちのじつに63パーセントが「トリスハイボール」の缶でした。ポイ捨て常習者がいるに違いありません。

それはともかく、ゴミがほとんど無くなった神田川は、だいぶ気持ちよく眺められる川になりました。(トシ)

キショウブ除去完了

川底での駆除作業(1月11日)

1月22日の活動で、昨年から続けて来た井の頭池畔と神田川上流部(三鷹台駅まで)のキショウブ駆除がひとまず完了しました。その範囲に存在した群落は、近くのものはひとつと考えると、井の頭池と夕やけ橋下流の滝までの間で5箇所、河床が深くなる下流側には6箇所ありました。そのうち、上流側の3または4群落はおそらく誰かが植えたものですが、それ以外は明らかに、上流側から流れてきた種子や根茎から発芽したものです。そのような二次群落の中にも、とても広がっているものが複数ありました。繁殖力がとても強いので「重点対策外来種」に指定されているこの植物を、きちんと管理できない場所に植えるのは大きな間違いだと分かります。

大きな群落の除去作業の途中(1月11日)
取り残した根茎が発芽していたので、再除去
(1月22日)

1月22日は、川底の最後の小群落を除去しました。また、以前除去作業をした場所で再び発芽が見られたので、再除去しました。ここは堆積した土が多いので、残さずに掘り取るのはなかなか難しいのです。

ですから、ひとまず完了というのは、完全駆除ではたぶんありません。今後も時々見回り、見つけたら除去する作業を続けます。

百年森とは

百年森を視察

本日12月28日(土)は2019年最後の活動日。用具物置の大掃除を済ませてから、参加者全員で百年森へ行き、今年の活動の成果を確認するとともに、今後やるべきことについて考えました。

これまで百年森とはいったい何なのかを説明せずに記事を書いてきたので、説明をしたいと思います。

文学施設建設計画

百年森は、井の頭公園の西園の、万助橋側入口から入って右側すぐのところにある、ロープ柵で囲われたエリアです。元は「資材置き場」とか「管理ヤード」などと呼ばれ、公園管理で出る廃材などを一時的に貯留する場所でした。新たな管理ヤードが近くにできて不要になったこの場所に、三鷹市が文学施設を建設する方針が2018年に突然示されました。その方針には、この場所の価値を理解していた団体や市民から多くの反対意見が出されました。当会もそのひとつで、我々としては、井の頭公園の中でもとくに多様な生き物が生息する、草木が茂り湿潤な玉川上水沿いの緑と、西園のおもに人間が利用する明るく乾燥したエリアとの間を緩やかに繋ぐ、環境緩衝機能の重要さをとくに重視していました。同様な意見を持つ複数の団体と協力して、当時の三鷹市長に意見書を提出するなどの反対運動を続けた結果、市長の理解が得られ、文学施設建設計画は撤回されたのです。

百年森の実現

それを受けて我々は、そこをより価値ある場所、すなわち、環境緩衝機能をさらに強化し、その場所自体を生き物最優先の場所にするよう、管理者である西部公園緑地事務所の所長にお願いしました。我々にできる世話はやりますから、という約束付きでです。その願いが受け入れられ、必要最低限の整備工事が行われ、2019年の5月から、当会と井の頭 自然の会、そして亜大富士山クラブが協力して世話をすることになりました。

百年森という名称

「百年森」という名前は、活動のためにはどの場所のことかすぐに分かる短い呼称が必要と考えて、当会と自然の会で付けた名前で、管理者が正式に認めた名称ではありません。しかし、管理者への活動報告などには、その名称を用いています。なお、「百年森」は公園内など自明な範囲で用いる略称で、「井の頭百年森」が正式名称ということになっています。「百年」と付けたのは、長い年月、いく世代にも渡って、生き物たちにとってより良い場所に育てていってほしい、という願いを込めました。なお、「百年森」としましたが、必ずしも鬱蒼とした森を目指しているわけではありません。今後世話に関わってくれる人たちに決めてもらえればよいと考えています。

百年森の一年目

日光浴をするキタテハ(成虫越冬)

世話を始めてからまだ半年ちょっとですが、その短い間にも、百年森はしだいに良い自然環境になってきたと感じています。公園内の側溝など各所から持ってきて山積みされていた土を敷きならしたので、それに混じっていた外来植物などの種子がすごい勢いで次々に芽生えましたが、選択的な除草を丁寧に繰り返した結果、外来植物は大幅に減り、在来植物が優先する場所になりました。草で覆われ、実生木も生えてきたので、そのような環境を好む虫が増えました。それを目当てにやってくる上位の昆虫や爬虫類、鳥なども見られるようになっています。そのような変化を見られるのも、継続的に世話をしている楽しみのひとつです。

キショウブ除去テスト

12月20日(水)、神田川上流部でキショウブの除去テストを実施しました。侵略的外来植物キショウブの駆除はこれまで、井の頭池(おもに井の頭かいぼり隊による)→神田川源流部(井の頭かんさつ会による)→ と、上流から進んできていて、いよいよ神田川上流部での駆除に取り組む段階に来ました。三面護岸の河床での作業は作業性や安全面で不明な部分があるため、それらを調べるため、少しだけ駆除作業をしてみることにしたのです。

キショウブ除去中

写真が駆除作業のようすです。この周りにはもっとたくさんのキショウブが生えているし、ここまで歩いてくる途中にも、気づいていなかったキショウブを二箇所で発見したのですが、今回は写真の小さな群落に集中しました。ここにはあまり泥が無いのですが、キショウブは根茎(地下茎)とヒゲ根を石の間に張り巡らせて、川底に張り付いていました。それを剥がすように丁寧に取り除きます。ほんのひと抱えほどの群落なのに、除草したものは45リットルゴミ袋1杯半になりました。

川底を実際に見て歩いた結果、キショウブが思っていたよりも多くの場所に定着していて、さらに分布を広げつつあることが分かりました。もし放置すれば、神田川上流部にかろうじて残っている希少な在来水生植物が生息場所を失ってしまいます。今回のテストで駆除作業の要点や課題が分かったので、今後の活動でキショウブの駆除を少しずつ進めていきたいと考えています。

川に、空き缶や空き瓶、ビニールなどのゴミがたくさん落ちているのに呆れました。レジ袋などは風に吹かれて入ったのかもしれませんが、空き缶や空き瓶は明らかに誰かが投げ入れたものです。川を良くするには、多くの人に、ここにはいろいろな生き物が暮らしていることを知ってもらい、この川を好きになってもらう必要があると思いました。

百年森の冬の活動

外来種除草作業

12月14日(土)は、毎月恒例の百年森の三団体合同活動でした。枯れた草の刈り取りなどの冬支度は11月30日の活動で済んでいるので、この日は残っている外来植物の除草を実施しました。例えばトキワツユクサは常緑性なので、冬の間も光合成をして茎や葉を伸ばします。ロゼットの形で、つまり地面に張り付くように葉を広げて光合成を続け、春以降の生長のために栄養を蓄える外来植物もあります。冬は多くの草木が枯れているし、邪魔する蚊などの害虫もいないので、外来植物を減らす作業には良い時期です。

百年森で除草したトキワツユクサなど

写真が百年森で除草した外来植物で、そのほとんどがトキワツユクサです。結実しない種類も種子を作る種類も生えていました。一度や二度の除草ではどうしても残ってしまい、油断すると勢いを取り戻すので、冬の間も時々チェックが必要です。

この日はその後に他の場所へも行き、別の外来野草のロゼットの掘り取りも実施しました。冬にやるべきことや、冬にやったほうが効果的なことはいろいろあります。

池の活動終了

オダアミを洗う

寒くなりザリガニがほとんど入らなくなったので、今日の活動で、ひょうたん池のドームカゴ(ザリガニ捕獲用ワナ)と、生き物モニタリング用に池の複数箇所に設置してあったオダアミをすべて撤収しました。

オダアミは水道や池の水で洗い、きれいに汚れを落としました。

ドームカゴを洗う

ドームカゴは解体し、神田川の源流部できれいに洗いました。オダアミもドームカゴも、長期間水中に浸かっていたので、藻や泥がびっしりと付着しています。ブラシで擦ってきれいに洗い流してから、漁具物置に運びました。

これで今年の、ワナを使用する池の活動は終了です。今年のザリガニ捕獲(駆除)活動は次の結果でした。

【2019年度ザリガニ駆除活動結果】
活動回数(実施日数):計162日 うち全体活動39日、朝のワナ上げ123日
駆除数:計744匹 うち全体活動211匹、朝のワナ上げ533匹
これは、2018年度より約3割増ですが、2017年度と比べると5分の1以下です。

ザリガニの稚エビ

今日のワナ上げでは、ドームカゴでザリガニ成体が1匹獲れたほか、オダアミに沈んでいた落ち葉の中から4匹のザリガニの稚エビが見つかりました。ザリガニは来年に向けて、着々と復活の準備をしているのです。来年も防除活動の手を緩めるわけにはいかないようです。ワナの再設置は4月の予定です。

百年森の草刈り

百年森の草刈り

11月最後の活動日は好天に恵まれたので、井の頭 自然の会にも声をかけて、百年森の草刈りを実施しました。合同の活動日は12月にも予定されているのですが、その日が好天とは限りません。両会から計7名の参加でした。

昆虫などは越冬の準備ができたようで、ほぼ姿を消したので、春の芽生えがしやすいように、今回はすっきり目に草を刈りました。それでも、産卵を済ませ命を終えようとしているジョロウグモや、成虫越冬のクビキリギスなどが見つかりました。冬を越す虫たちのために、刈った草は複数箇所に積み置きました。

草刈り後の百年森

空気が冷たいため、汗をかくと作業後に冷えてしまいます。頑張らないようにと言ったのですが、皆とても頑張ってくれたので、近くの「ミズタマソウ保護エリア」の草刈りも含め、やりたかった作業をほぼ終えることができました。

でも、12月の合同活動でやることがなくなったのでは?という心配は要りません。冬の間にやっておくべきことはまだあります。

湧水の影響

生き物の生息状況を調べるため、「オダアミ」という特製の網を池の数カ所に設置して、採れる生き物を記録しています。ワナというより休憩所で、出入り自由ですが、小魚やエビ類がよく入ります。ひょうたん池のドームカゴ(ザリガニワナ)にはザリガニ以外も入るので、それもモニタリングに役立ちます。

ヌカエビ  10月23日

大量の湧水が復活した後の10月23日、そのオダアミにヌカエビが今年初めて入りました。昔の井の頭池には大量にいたという在来エビですが、近年はほとんど見られなくなっていました。住処となる水草の消失、天敵となる外来魚の増加、競合する外来エビの増加などが激減の原因と考えられています。

オダアミで採れたヌカエビ  10月28日

ひょうたん池で獲れたザリガニ  10月18日

その後、採れるヌカエビの数は増え、オダアミだけでなく、ひょうたん池のザリガニワナにも入るようになりました。池の上流域でツツイトモなどの水草が復活したため、ヌカエビも生息数を増やしていたようです。水草が枯れる時期に大量の湧水が出たため、多くのヌカエビが切れ藻と一緒に下流へと流されてきたのだと想像しています。

湧水の影響と言えそうな変化はまだあります。ひょうたん池のワナに入るアメリカザリガニの数とサイズが急に3割ほど増えたのです。この時期にしては、例年よりも多いです。池から下ってきたのか、それとも神田川から遡上してきたのか不明ですが、私は後者だと考えています。池では井の頭かいぼり隊が継続的なザリガニ駆除活動をしているのに対して、野放しの神田川には今も大量のザリガニが生息していること、そして大量の湧水を神田川に流すため、池と川の境の堰板が全部外されていることが、そう考える理由です。

ドームカゴに入っていたギンブナ  11月17日

その後、湧水の量は次第に減ってきましたが、地下水汲み上げポンプは止めたままなので、池の水深が徐々に浅くなってきました。11月中旬ごろから起きているのが、ひょうたん池のザリガニワナに多数のギンブナが入る現象です。鱗が取れやすいフナが水深の浅いワナに入ると暴れて傷つくので問題です。水深が浅くなったからか、それとも水が澄んで見やすくなったからか、急に数を増したカワウがフナを追い回すので、ひょうたん池に逃げてくるのかもしれません。

調査用のワナを設置してモニタリングしていても、見えるのは池の真実の一部に過ぎません。しかし、池に何か大きな変化があると、その影響を受けて生き物たちの動きが普段とは変わり、見えなかった真実がちらりと見えることがあります。