玉川上水のオオブタクサ その後

■ 境橋付近のオオブタクサのことを6月19日に「玉川上水みどりといきもの会議」代表の高槻先生に連絡し、ほかにも生えている所がないか調べてはと進言したところ、先生は「玉川上水花マップネットワーク」にも、オオブタクサがないかチェックするよう指示されました。どちらの会も玉川上水全域をカバーしている組織です。すると6月27日に茜屋橋の近くに群落があることが報告され、別の人が小金井市環境政策課に相談したところ、環境政策課は30日に現地調査をして、柵外(小金井市の市道)の1本を除去するとともに、柵内のものについては東京都(水道局)に連絡してくれたそうです。水道局の対応も迅速で、柵内に生えていた30本ほどが翌日の7月1日に除去されたそうです。名勝小金井(サクラ)を復活させようとしている小金井市にとって、オオブタクサは許容できない外来植物でしょう。

■ 桜橋〜境橋左岸のオオブタクサについては、もう少し複雑です。武蔵野市内ですが、玉川上水用地である柵内(柵を含まず)は東京都水道局境浄水場の所管で、柵を含む柵外は都立玉川上水緑道のため東京都西部公園緑地事務所の所管で、実際に維持管理をしているのは、柵内が東京水道(株)、柵外は緑道の指定管理者である西武・武蔵野パートナーズです。そして実際に草刈りなどを行うのは、それぞれが発注する園芸業者です。

オオブタクサの駆除を要望するため、市や市議によく連絡している知人に6月11日に相談したところ、その5日後に「市議が武蔵野市の緑のまち推進課に連絡してくれ、緑のまち推進課は現場を確認したそうで、東京都の担当(たぶん境浄水場)に連絡すると連絡があった」というメールをもらいました。水道局だけでは片手落ちなので、私は17日に、緑道を主管する西部公園緑地事務所にも対応をお願いし、指定管理者に連絡しておくとの返事をもらいました。

それでどうなったかというと、7月8日の記事「玉川上水のオオブタクサ再調査」に書いた通りで、7月8日の時点ではオオブタクサは6月8日の状態のままだったのです。ただその日に、おそらく一般市民により、ほとんどのオオブタクサが抜き取られたり切り倒されたりしたので、結実する心配はほぼ無くなりました。

7月11日の西部公園緑地事務所からの連絡によると、緑道の指定管理者のスタッフが9日に現場を巡回して、緑道に残っていたオオブタクサを除去し柵内に見つけたものについては東京水道(株)に連絡してくれたそうです。指定管理者にオオブタクサのことを知らせたのは、西部公園緑地事務所ではなく、市民(上記の知人)の投書だったようです。東京水道はすでに右岸の草刈りを始めていたので、その際に左岸も刈ったと返事をくれたそうです。しかし仲間からの情報では、7月13日の時点で左岸はまだ草刈りされていませんでした。その後に草刈りされたかどうかは、情報が無いので分かりません。

自然は繋がっているのに、それを維持管理する側は、縦割りと横割りが複雑で、お互いの連絡がうまく取れていないことが分かりました。そのせいか、単にオオブタクサを抜いてくれるだけでよかったのに、全面草刈りになってしまいました。地元で自然を守る活動をしている人からは、例年の草刈りは晩秋なのに、連絡もなく7月に草刈りされて大事な野草がダメになったと抗議があったそうです。もっともな抗議だと思います。なお、東京水道が草刈りを始めたのは、近隣の幼稚園が虫を嫌うからだと聞きましたが、それもちょっと残念です。

玉川上水のオオブタクサ再調査

午前中の神田川のオオブタクサ駆除に続き、午後には、玉川上水の桜橋〜境橋間のオオブタクサがどうなったのか見に行きました。オオブタクサは、私が前に見たのとたぶん同じだけ残っていて、しかしさらに大きくなっていました。ざっと数えたところ、次のような本数でした。橋の名前と場所については、例えばこのマップ「玉川上水緑道マップ」を参照してください。

  • 桜橋〜独歩橋 左岸: 31本(うち6本は柵内)
  • 独歩橋〜うど橋 左岸: 7本(全て柵内)
  • うど橋〜境水衛所 左岸: 60本+α(ほとんどが柵内)

”60本+α”とは、終盤他のことに気を取られて正確な数が分からなくなったからですが、αはたぶん5本以下です。

3.5mほどに成長したオオブタクサ

境橋のすぐ下流の境水衛所の近くには太くて(茎の直径3〜4cm)、巨大(最大草丈3.5mほど)なものが多数ありました。しかし独歩橋より上流では、柵外つまり緑道側にはほとんど無かったので、6月8日に緑道の草刈りをしていた業者にオオブタクサも刈るようお願いした後は刈ってくれたのでしょう。でも、その前に戻って刈ることはしなかったということです。

全てのオオブタクサが柵際に生えている

今日調べて分かったのは、全てが柵際の、土が掘り返された所に生えていたことです。土の中で眠っていた種子が、掘り返されて光が当たるようになったため、芽生えたようです。元々の土に種子があったのか、他所から種子が混じった土を持ってきたのか、どちらかだと思います。柵の工事をした所に聞けば、土を持ってきたかどうか分かるでしょうが、今となっては、生えてきたら抜くだけです。

3.5mのオオブタクサも刈られていた

その後しばらくしてから再度通ったら、ほとんどのオオブタクサが抜かれたり切り倒されて、横たわっていました。柵の外側のも内側のもです。今や関心を持っている人は少なくないので、柵の内側か外側かにこだわらない誰かがやったのだと思います。役所がなかなか動かないので、私としては少し安心しました。

【後日談】柵を設置した東京都西部公園緑地事務所の人に確認したところ、設置工事のために他所から土を持ってきたことは一切無いとのことでした。となると、その場所に以前からオオブタクサの種子が埋まっていたということで、かつてオオブタクサが生えていたということです。つまり、他の場所を掘り返すとオオブタクサが芽生える可能性があることになります。

玉川上水のオオブタクサ

年1回の水質調査に行った際、境橋付近に重点対策外来種オオブタクサが生えているのに気づきました。

玉川上水のオオブタクサ(写真中央)
柵内外にオオブタクサ(6月5日)
神田川 神田橋〜みすぎ橋 のオオブタクサ(2020年9月4日撮影)

我々は神田川に蔓延したオオブタクサの惨状をよく知っているし、丸山橋(三鷹台)より上流では駆除活動も行っているので、再度8日にどこまで広がっているのか調べに行きました。その結果、境橋〜下流の桜橋の間の左岸に広がっていることが分かりました。玉川上水の柵の内側(上水内)と、外側(玉川上水緑道)の両方に生えていました。その日は緑道の草刈りが業者により行われていましたが、なぜかオオブタクサだけ刈り残されています。作業していた人に聞いてみたら、それが玉川上水の景観や生物の生息環境を一変させてしまう侵略的な外来植物だと知らないようでした。

今駆除を始めなければ、下流一帯がオオブタクサに覆われる事態になりそうなので、何人かの人に伝えたところ、一人が武蔵野市議に連絡してくれ、市議が武蔵野市に話をし、武蔵野市が境浄水場(東京都水道局)に要望した結果、近日中に草刈りをするとの返事をもらったそうです。侵入から複数年経っていそうなので、埋土種子がすでに存在していると思いますが、抑え込めることを期待しています。

玉川上水にはいろいろな樹木が茂り野草が生え、野鳥や昆虫なども暮らしているので、自然が好きな人にとってとても貴重な環境になっています。そのため、それが損なわれることに敏感な人が多く、住民運動も盛んです。三面護岸の単なる排水路にされ、沿川住民の関心が薄い神田川と比べると、羨ましい気がします。