2月1日に撮影した、神田川上流部に滞在中のタシギです。タシギ(田鴫)というぐらいですから、田んぼで見かけるシギです。私は昨冬まで神田川で見たことはありませんでした。昨冬初めてやって来て、ここで越冬しました。そしてこの冬にも再び滞在しているのです。浅場に枯れた水生植物が残り、場所によっては泥が堆積している川は、冬の田んぼに近い環境と言えるのかもしれません。細長い嘴を泥に突き刺して、何かを捕って食べていました。長い間逗留しているということは、食べ物になる生き物が多いのでしょう。
タシギが来るようになったのは、我々がゴミ拾いをしているからだ、と思っています。田んぼにはあまりゴミが捨てられないので、ゴミの多い川はタシギが好きな環境ではないと思います。ゴミの少ない川になったからこそ、タシギが滞在する気になったのではないかと思うのです。タシギの気持ちは本人に聞いてみないと分かりませんが、タシギを見守っている人たちや、写真を撮っている人たちにとっては、ゴミがない川のほうが、自然に見えるので、良いのは間違いありません。
ゴミ拾いをするときに我々が最も気にしたのが、タシギに悪影響を及ぼさないかどうかでした。タシギが一時的にその場を避けるのは仕方ないとしても、神田川にいられないほどの脅威を与えることは避けたいのです。そのため、1月21日はタシギが左岸親水広場(その日の終点)より下流にいることを確かめて、上流から親水広場までを実施し、2月4日はタシギが広場より上流にいるのを確認してから、広場から丸山橋までのゴミを拾いました。その結果、タシギは今も滞在してくれているようです。