御殿山の雑木林内にも、守りたい植物のための保護柵がいくつかあります。しばらく世話をしていなかった間に草やササが伸びて、保護したい植物が埋もれそうなので、刈り取りをしました。
写真はシオデを機械的な草刈りから守るために3年ほど前に保護柵を設置した場所です。雌株と雄株が無いと結実しないシオデの実が見られるのは、園内ではここだけでした。柵で囲うと、その中の草刈りは我々が丁寧にやることになります。ツルは光を求めて伸びるので、草刈りをしなくてもシオデがすぐにダメになることはないのですが、地上部は秋に枯れ、次の年には地下茎を伸ばして日当たりが良い場所に芽生えるので、柵からどんどん出ていき、刈られてしまうことになります。
ここは別のツル性樹木を保護している、ムラサキシキブやマユミなどの茂みです。そういうツル植物にとって、背が高くない樹木がある茂みの存在は大切です。小鳥などの生き物にとっても貴重です。しかしあまり繁すぎると園内の見通しが悪くなるので、伸びすぎた笹などを刈りました。
今年度から「多様な生物が生息する都立公園づくり事業」が井の頭公園で始まりました。今後はいろいろな生き物が暮らせる環境を公園管理者が整備し維持するようになってほしいです。