鮮やかな黄色の花を咲かせる、キショウブというアヤメ科の植物をご存知でしょうか。ヨーロッパから西アジアが原産で、明治時代に園芸植物として日本に持ち込まれたそうです。あちこちに植えられているので、見たことがある人は多いと思います。しかし、それが「重点対策外来種」に指定されている侵略的な外来植物であることを理解している人はまだ少ないようです。
井の頭池と神田川を見れば、それが侵略的であることは疑いようがありません。井の頭池の一角と神田川の夕やけ橋近くの群落は人が植えたものですが、それより下流に分布しているものは、流下した種子や根茎から芽生えて定着したものです。源流部から丸山橋までを5月15日に調査したところ、花を咲かせている群落だけで11ヶ所ありました。まだ花を咲かせていない株も複数見つかりました。このまま放置すると、カワヂシャ、サジオモダカ、ミクリなどの希少水生植物が生えられる場所が減ってしまいそうです。
そこでキショウブの駆除に乗り出すことにしたのですが、河川管理者の了解は得られたものの、駆除したもの(毎回少量づつ)を引き取ってもらう方法が見つからなかったため、とりあえず、さらに分布が広がらないよう、11ヶ所を4回に分けて、種子が実る前に花ガラを切除することから始めました。写真はそのうちの1回のものです。
今後キショウブを処分する方法が見つかったら、キショウブ本体の駆除に乗り出すつもりです。(Toshi)