今年のオオカワヂシャ駆除終了

4月30日の記事に特定外来生物オオカワヂシャの駆除が今年の目標地点の「あしはら橋」まで進んだと書きましたが、そこまで完了したわけではありません。見逃したものや、まだ小さくて摘み取るのが困難な実生が多数残っていたので、その後も6回の駆除作業を実施し、今日で今年のオオカワヂシャ駆除活動を終了とすることにしました。もちろん取り残しはまだあるのですが、できる範囲で毎年少しずつ進めるしかありません。それでも、来年在来種カワヂシャが生えられる場所は今年よりだいぶ増えたと思います。

写真は我々が「カワヂシャ島」と呼んでいる、2019年にオオカワヂシャの駆除に着手した場所(中洲)です(2019年5月1日の記事参照)。その時はオオカワヂシャがほとんどで、カワヂシャは10株しか確認できなかったのですが、今年はカワヂシャがとても増えています。なお、写真中央付近の紫色でやや大きな花はオオカワヂシャです(もちろん抜き取りました)。この島より下流にも今年は多くのカワヂシャが生えていて、開花・結実中です。他の場所で種子から育てて移植したものもありますが、ほとんどはその場で芽生えたものです。

これまでの研究の結果、カワヂシャを増やすには、オオカワヂシャを減らせばよいことが分かりました。下流へ向かって毎年10mでも20mでもオオカワヂシャの除去を進めることができれば、カワヂシャはもっと復活するでしょう。

オオカワヂシャは外来生物法で「特定外来生物」に指定されているので、根も茎も種子も持ち運ぶことが禁止されています。我々は河川管理者から特別な許可をいただき、許可証を携行して駆除活動を行なっています。神田川に入って魚獲りなどをした人が、オオカワヂシャの種子を衣服に付けて他の場所へ移動し、そこに種子を落とすと、それも外来生物法違反になり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金を課される可能性があるので、十分注意してください。