生きもの増加中

百年森の草刈り中

今日は井の頭自然の会と井の頭かんさつ会の合同で百年森の草刈りを実施しました。枯れた草が栄養になるのを促し、地面に光が届くようにして来春の芽生えを助けるのが目的です。人手による草刈りは少しずつ進めていて、写真の枯れた草は前回までに刈った草です。公園の他のエリアの、業者が機械で草刈りした場所と比べると雑然としていると感じると思いますが、いろいろな生き物が暮らせる場所を作るために、あえてそうしています。

クロコノマチョウ(成虫越冬)

その結果、まだ世話を始めて一年半ですが、見られる生き物が増えてきています。様々な草が生い茂り、いろいろな樹木が芽生え成長しています。表土には大きなミミズが増え、それを食べにモグラがやってきて、両者が固く締まっていた土を耕してくれています。土中の菌類も増えているようで、きのこもいろいろ出てきています。茂った草や咲いた花を拠り所とする昆虫が増え、それを捕食する虫も増えています。さらに、それらを採りに野鳥も立ち寄るようになりました。成長中の若木がもっと大きくなれば、それが隠れ場所になったり実をつけたりするので、訪れる鳥はもっと増えるでしょう。

2019年5月11日

まだまだ始まったばかりですが、徐々に生態系ができつつあるのを感じています。ここの世話を始めた昨年5月の写真を載せますが、大きく変化したことは分かると思います。今後も、百年森の目的である、「生き物最優先の場所」を目指して、必要な活動を続けていきます。

昆虫が増えるにつれて、虫採りを目的に柵を乗り越えて百年森に侵入する人が増えてきているようです。井の頭公園の柵に囲まれたエリアは、植物やその他の生き物を保護するための立入禁止の場所です。百年森も、柵の中には入らないで、柵の外から見守ってください。百年森に生き物が増えれば、そこへ出入りする生き物が、百年森の外でも見られるようになるでしょう。